大里桃子、待望の2勝目。イップス克服だけじゃない、ショットの進化に『TOUR B』が合致!
30cmのパットも嫌なほどの開幕時のイップスを克服し、待望の2勝目を挙げた大里桃子。勝てた理由はパットだけではない。ショットの進化と安定が今年は段違いだった!(撮影・村上航)
配信日時: 2021年5月19日 22時00分
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タテ振りがフラットに。『TOUR B X』で飛距離アップ!
強豪ひしめく黄金世代の中でも、大里桃子の初優勝はかなり早い方だった。2018年8月の「CATレディス」で勝ったのは、プロテスト合格からわずか3試合目。その時、大里の目に涙はなく「自分でも優勝できたことにビックリし過ぎて涙が出なかった」と振り返る。
プロ入り前からブリヂストンのクラブとボールを使用するが、ずっと見守ってきた同社のツアー担当者は「プロ入り時、まだ体幹が十分できてない中で腕振りの要素が大きかったですね。結果、調子が悪い時には上からクラブが入り、スピン量が3000rpmを超えてしまう、いわゆる【吹け上がる球】が多かった」と言う。
もちろん、大里自身も自覚していたが、今オフのスイング改造で「あとはパットだけ」とショットに自信を持てる状態に仕上げていた。「開幕からショットは本当に安定していて、前はすごくタテ振りだったんですけど、少しヨコ振りというか、プレーンが寝てインパクトが詰まらなくなりました」と大里。
スタッツでも飛距離アップは明らか。初優勝した2018年の平均飛距離が236.42ヤード(40位)、2019年が237.35ヤード(49位)で、いずれも小ぶりな過去モデルを使用していたが、『TOUR B X』ドライバーを使用する2020-21年はここまで244.55ヤード(17位)。「身長の割に飛ばない」と周囲から揶揄された過去の姿はもうない。
プロ入り前からブリヂストンのクラブとボールを使用するが、ずっと見守ってきた同社のツアー担当者は「プロ入り時、まだ体幹が十分できてない中で腕振りの要素が大きかったですね。結果、調子が悪い時には上からクラブが入り、スピン量が3000rpmを超えてしまう、いわゆる【吹け上がる球】が多かった」と言う。
もちろん、大里自身も自覚していたが、今オフのスイング改造で「あとはパットだけ」とショットに自信を持てる状態に仕上げていた。「開幕からショットは本当に安定していて、前はすごくタテ振りだったんですけど、少しヨコ振りというか、プレーンが寝てインパクトが詰まらなくなりました」と大里。
ツアー担当者も「ここ数年、下半身をどっしり構えて上半身を捻る動きを意識してから入射角がかなりフラットに入るようになりました。加えて、『TOUR B X』ドライバーを使用してから初期条件が格段に良くなった。現在のスピン量は平均2500rpm位で、右への吹け上がりもかなり減っています」と話す。
スタッツでも飛距離アップは明らか。初優勝した2018年の平均飛距離が236.42ヤード(40位)、2019年が237.35ヤード(49位)で、いずれも小ぶりな過去モデルを使用していたが、『TOUR B X』ドライバーを使用する2020-21年はここまで244.55ヤード(17位)。「身長の割に飛ばない」と周囲から揶揄された過去の姿はもうない。
インパクトで詰まらない。【桃子ソール】の『201CB』
飛距離アップの影響か、パーオン率も今季は70.4274%(13位)とプロ入り以来、最上位につけている。19年は68.859%の38位だったし、初優勝した18年は65.5914%の53位。着実にアイアンショットの向上がデータと順位に現れている。
プロ入り以来アイアンは2018年モデルの『X-CB』だったが、今季大里は『TOUR B 201CB』に変更。前作よりややコンパクトで、よりストレートネックでシャープな顔だが、これが奏功したのか? BSのツアー担当者は「アイアンで勝負する大里プロはミリ単位のバンスにこだわるため、かなり腐心しました」と振り返る。
プロ入り以来アイアンは2018年モデルの『X-CB』だったが、今季大里は『TOUR B 201CB』に変更。前作よりややコンパクトで、よりストレートネックでシャープな顔だが、これが奏功したのか? BSのツアー担当者は「アイアンで勝負する大里プロはミリ単位のバンスにこだわるため、かなり腐心しました」と振り返る。
「今の『201CB』を使用する際、トータルの性能面ではほぼ納得しつつも、どうしても前作とのソール形状の違いに妥協できない点がありました。18年の『X-CB』に慣れていて『201CB』だと上手く球をヒットできない。大里プロなりにソールと地面が当たる部分のこだわりを弊社のツアー担当に伝え、彼が研磨技術者にミリ単位での【桃子ソール】の作成を依頼しました」(同)
3〜4月、そして5月とコースコンディションが冬から春に変化していくにつれ、特殊なグラインドの【桃子ソール】は開花していく。「悪い時はインパクトで詰まって引っかけやショートが多かった」という大里だが、担当者と必死に意見をぶつけ合うことで生まれた【桃子ソール】の『201CB』は暖かくなるにつれ、意のままに操れるようになっていた。
3〜4月、そして5月とコースコンディションが冬から春に変化していくにつれ、特殊なグラインドの【桃子ソール】は開花していく。「悪い時はインパクトで詰まって引っかけやショートが多かった」という大里だが、担当者と必死に意見をぶつけ合うことで生まれた【桃子ソール】の『201CB』は暖かくなるにつれ、意のままに操れるようになっていた。
「パットが良くなって、アプローチもよくなった」
大里が特に信頼を置いているクラブ、それがBSのウェッジだ。基本的にジュニア時代から同社のウェッジしか使っていないため、彼女は他社との比較はしていない。けれどもBSのウェッジの溝の技術がどれだけ高いか、同社秩父の開発センターでも勉強し、技術力を誇りにさえ思うほど、ウェッジを大切にしているとか。
「開幕から4週間くらいはパターのイップスに悩んで残り30cmでも気持ち悪いので、グリーンを外したら【タップインくらいに寄せなきゃ】と思って、パターのせいでアプローチも寄らなくなってました。でも、パターが良くなって、アプローチも良くなりました」(大里)
「開幕から4週間くらいはパターのイップスに悩んで残り30cmでも気持ち悪いので、グリーンを外したら【タップインくらいに寄せなきゃ】と思って、パターのせいでアプローチも寄らなくなってました。でも、パターが良くなって、アプローチも良くなりました」(大里)
優勝した今回の試合でも数々のピンチを『TOUR B BRM』ウェッジでスピンをかけて止めた。18番のバンカーショットも2m転がりそうな所が1.5mで止まり、これを決めてプレーオフに持ち込み、優勝に繋げた。ツアー担当者は、大里の【ウェッジ愛】の裏話をこう明かす。
「通常プロが使用するウェッジは【ノーメッキ】なので、水につけるとたった1時間くらい置くだけでも錆びが出ることもありますが、大里プロは常にこのウェッジを大切に使い、数か月使っても錆が全く付いていません。どれほど彼女がこのウェッジを愛してくれているかが分かりますよね」(同)
「通常プロが使用するウェッジは【ノーメッキ】なので、水につけるとたった1時間くらい置くだけでも錆びが出ることもありますが、大里プロは常にこのウェッジを大切に使い、数か月使っても錆が全く付いていません。どれほど彼女がこのウェッジを愛してくれているかが分かりますよね」(同)
アライメントしやすい『TOUR B XS』も一助に!
ジュニア時代からBSのボールを使うが、大里は一貫してスピン系の軟らかいボールを好んでいる。2018年からツアー参戦、最初は壁にぶち当たり、苦しい時期もあったが、ここまで2勝し順調に来れたのは【不調をなるべく早く脱出できた】ことが大きい。
前述の通り、今年の開幕から4試合はパターに悩み、30cmのパットにさえ悩む極度のパターイップスになった。そんな中、握り方やパターの長さ、リズムと共に【パッティングに集中できる一助】となったのは、アライメント入りボール『TOUR B XS Just In Alignment』だ。
このマークはターゲットに向けて集中してボールを転がすイメージと、スクエアに構えやすいよう、アライメントラインが工夫されている。開幕から悩み抜いたパットだが、結果的に【わずか4週間で解決できた】のは、パターを含めた様々なギアの力を複合的に取り入れたことが大きいと言えるだろう。
前述の通り、今年の開幕から4試合はパターに悩み、30cmのパットにさえ悩む極度のパターイップスになった。そんな中、握り方やパターの長さ、リズムと共に【パッティングに集中できる一助】となったのは、アライメント入りボール『TOUR B XS Just In Alignment』だ。
このマークはターゲットに向けて集中してボールを転がすイメージと、スクエアに構えやすいよう、アライメントラインが工夫されている。開幕から悩み抜いたパットだが、結果的に【わずか4週間で解決できた】のは、パターを含めた様々なギアの力を複合的に取り入れたことが大きいと言えるだろう。
「1勝だけだと運やマグレだと周囲から【2勝して初めて実力だ】と言われてきました。今年こんなに早い段階で2勝目ができると思ってなかったんですけど、沢山の方に支えて頂いて2勝目が出来たので、自分ができる最善を尽くして、残りのシーズンでまた優勝が出来たらいいなと思います」(大里)
本人の聞く耳や実践力はもちろん、さまざまな分野の問題解決力に長けた相談相手がいる限り、【3勝目】も大里の想定より早く訪れそうな気がしてならない。
Text/Mikiro Nagaoka
本人の聞く耳や実践力はもちろん、さまざまな分野の問題解決力に長けた相談相手がいる限り、【3勝目】も大里の想定より早く訪れそうな気がしてならない。
Text/Mikiro Nagaoka