クラブばかりに目がいきがちだが、彼のボール選びも興味深いものだ。ウッドランドは、ブリヂストンの『TOUR B X』を契約外で使用している。昨年、国内男子ツアーで賞金王となった、宮里優作が愛用しているボールだ。
海外の選手は、より軟らかい『TOUR B XS』を使用するケースも多いが、ヘッドスピードが強烈に速いウッドランドだけに、しっかりめの打感で、アイアンのスピン量を減らせる『TOUR B X』の方がマッチするのだろう。
この試合では、“ゴルフの科学者”として日本でおなじみの、ブライソン・デシャンボーも予選ラウンド終わって首位タイ、最終的には5位タイと活躍を見せた。デシャンボーもまた、ブリヂストンのボール使用者だ。もともと軟らかいタイプである『TOUR B330S』を使用していたが、現在はウッドランドと同じ『TOUR B X』を使用している。
いくぶんカラダが大きくなったようにみえるデシャンボーは、飛距離も伸びているようで、ショットとパッティングのかみ合わせにも良さを感じた。ボールを変更したのも、フィジカル面や技術の変化に伴ったものだろう。このあたりのシビアなギア選びは、さすが“科学者”といったところだ。
そして、最終日にはスタジアムホールと呼ばれる名物16番ホールパー3で、マット・クーチャーがホールインワンまでわずか5センチというスーパーショットを見せ、大ギャラリーを熱狂させた。クーチャーはより軟らかい『TOUR B XS』を愛用し、ボールコントロールを駆使して戦う選手だ。
日本のゴルフファンとしては、松山の欠場で主役不在の感もあったフェニックスオープン。だが、ことボールに関して言えば、国内メーカーのブリヂストンが大いに活躍していたわけだ。