宮里優作、大器晩成の賞金王獲得!
text by Kazuhiro Koyama
配信日時: 2017年12月6日 09時05分
選手会長の賞金王は、史上はじめて
2017年の国内男子ツアーの賞金王は、宮里優作に決まった。プロ入り後、初優勝まで11年を要した宮里が、賞金王には最終戦での「優勝」しかない状況で決めた、劇的な幕切れだった。最終日の目の覚めるような強さは、これからも日本のゴルフ史の中で語り継がれるだろう。
今シーズンは4勝。中日クラウンズと日本プロで2週連続優勝。「HONMA TOURWORLD CUP」では日本ゴルフツアー機構(JGTO)発足以来史上初となる4日間ノーボギーでの優勝を果たした。選手会長での賞金王は史上初というオマケ付きで、会長職につくと競技成績が下がるジンクスにピリオドを打ったといえる。奇しくも今年は、宮里藍が引退するという大きな出来事があったが、その寂しさをも払拭するような、キャリア最高のシーズンとなった。
今シーズンは4勝。中日クラウンズと日本プロで2週連続優勝。「HONMA TOURWORLD CUP」では日本ゴルフツアー機構(JGTO)発足以来史上初となる4日間ノーボギーでの優勝を果たした。選手会長での賞金王は史上初というオマケ付きで、会長職につくと競技成績が下がるジンクスにピリオドを打ったといえる。奇しくも今年は、宮里藍が引退するという大きな出来事があったが、その寂しさをも払拭するような、キャリア最高のシーズンとなった。
選手会長としても積極的に活動する姿は印象的だ。ご存知のファンも多いと思うが、自身以外のツアーの情報も積極的にSNSで発信し、その内容はJGTOにとどまらず、時にはチャレンジトーナメントや海外メジャーの情報も取りあげた。賞金王レースのライバルでもある、小平智の優勝を祝うツイートを拡散したこともある。練習場での動画の撮影や、悪天候で中止になった日のサイン会など、ツアーを改善するアイディアを、率先して実行していたことも指摘しておきたい。単に成績だけでなく、いつもツアー全体、そしてゴルフ界のことを考えているのがよく分かる選手なのだ。
私事で恐縮だが、2015年に、私の企画構成による書籍に推薦文を書いてもらったことがある。シーズン序盤で、まだ調子の上がらない時期だったが、彼は一介の無名ライターである私にも、オープンマインドでとても親切に接してくれた。ショットの切れ味はもちろんだが、人柄も素晴らしく、彼を応援する人は多い。
勝負の世界では、「いい人」は勝てないと思われがちだ。長く勝てなかった時代は、そんな応援が、あるいは心理的な負担になっていたのかもしれない。しかし、近年はそんなプレッシャーをも力に変えて、本来の実力に見合った成績をあげているように見える。ミスしても諦めず、一打一打、ひたむきにプレーする姿は、ファンの胸を打つ。
勝負の世界では、「いい人」は勝てないと思われがちだ。長く勝てなかった時代は、そんな応援が、あるいは心理的な負担になっていたのかもしれない。しかし、近年はそんなプレッシャーをも力に変えて、本来の実力に見合った成績をあげているように見える。ミスしても諦めず、一打一打、ひたむきにプレーする姿は、ファンの胸を打つ。