石川遼のドライバー飛距離が、16ヤード以上アップした理由とは?
text by Kazuhiro Koyama
配信日時: 2019年9月19日 04時00分
復帰後、2連勝! 強い石川遼が戻ってきた!
石川遼が好調だ。日本プロで3年ぶりの復活優勝を果たすと、セガサミーカップでも勝利して2連勝。以降もフジサンケイクラシックの最終日には「64」と大まくりするなど、好成績を上げている。現在、賞金ランキングは1位で、完全にツアーの主役に舞い戻ったと言えそうだ。
好調の要因はなんといってもドライバーショットの安定だ。飛距離と正確性を示すトータルドライビングは現在4位。ツアーでも屈指の飛んで曲がらない選手へと変貌を遂げている。
ここ数年、石川遼のドライバーの不振は深刻だった。優勝争いのさなかであってもOBを打ってしまうほど不安定で、ゲームを壊してしまうことも少なからずあった。なぜ、石川遼ほどの天才が、こんなにもドライバーショットを曲げてしまうのか。外野からは不可解に見えるほどだった。
その理由のひとつとして考えられるのが、近年のドライバー大型化だ。15歳のアマチュア選手だった石川遼が、2007年に初優勝した際、ドライバーのヘッド体積は380ccだった。2009年に18歳で賞金王になったときは、430ccのディープフェースなドライバー。いずれも操作性が高く、今から考えるとかなり小ぶりなモデルだった。
それから早10年。ドライバーは460ccが主流になり、それ以降も投影面積が大きくなり、重心がヘッド後方に位置するシャローバック化が進んでいった。この急激な変化に戸惑うプロは少なくなく、石川遼もまた大型ヘッドへの対応に苦慮することになった。
昨年のツアー終盤では、ネック周りに大量の鉛を貼ったドライバーを使用。重心位置をシャフト軸近くに寄せたいという意図だったのだろうが、その異常な鉛の量を見ると、かえってその不振の深刻さが浮き彫りになった。
今季は国内開幕戦の東建ホームメイトカップを腰痛のため欠場。復帰戦となった中日クラウンズでは「81」を叩き、二日目は棄権した。石川遼は大丈夫なのか、と心配したファンも多いのではないだろうか。しかし、中断期間が長かったことがプラスに働き、ケガが癒えたのと同時に、これまで取り組んできたスイング改造に一定の成果が表れたようだ。
そして、驚くべきことに石川遼のドライバーショットは、飛距離が大幅に伸びている。昨年一年間のドライビングディスタンスは、289.35ヤード。しかし、今季はここまで、306.13ヤードで、ツアーでは5位につけている。まだシーズンが半分近くあることを考えると、単純な比較はできないが、一年で16ヤード以上の飛距離アップは、ただ事ではない。このレベルの選手としては、大事件だと言えるだろう。
※スタッツは全てANAオープン終了時
好調の要因はなんといってもドライバーショットの安定だ。飛距離と正確性を示すトータルドライビングは現在4位。ツアーでも屈指の飛んで曲がらない選手へと変貌を遂げている。
ここ数年、石川遼のドライバーの不振は深刻だった。優勝争いのさなかであってもOBを打ってしまうほど不安定で、ゲームを壊してしまうことも少なからずあった。なぜ、石川遼ほどの天才が、こんなにもドライバーショットを曲げてしまうのか。外野からは不可解に見えるほどだった。
その理由のひとつとして考えられるのが、近年のドライバー大型化だ。15歳のアマチュア選手だった石川遼が、2007年に初優勝した際、ドライバーのヘッド体積は380ccだった。2009年に18歳で賞金王になったときは、430ccのディープフェースなドライバー。いずれも操作性が高く、今から考えるとかなり小ぶりなモデルだった。
それから早10年。ドライバーは460ccが主流になり、それ以降も投影面積が大きくなり、重心がヘッド後方に位置するシャローバック化が進んでいった。この急激な変化に戸惑うプロは少なくなく、石川遼もまた大型ヘッドへの対応に苦慮することになった。
昨年のツアー終盤では、ネック周りに大量の鉛を貼ったドライバーを使用。重心位置をシャフト軸近くに寄せたいという意図だったのだろうが、その異常な鉛の量を見ると、かえってその不振の深刻さが浮き彫りになった。
今季は国内開幕戦の東建ホームメイトカップを腰痛のため欠場。復帰戦となった中日クラウンズでは「81」を叩き、二日目は棄権した。石川遼は大丈夫なのか、と心配したファンも多いのではないだろうか。しかし、中断期間が長かったことがプラスに働き、ケガが癒えたのと同時に、これまで取り組んできたスイング改造に一定の成果が表れたようだ。
そして、驚くべきことに石川遼のドライバーショットは、飛距離が大幅に伸びている。昨年一年間のドライビングディスタンスは、289.35ヤード。しかし、今季はここまで、306.13ヤードで、ツアーでは5位につけている。まだシーズンが半分近くあることを考えると、単純な比較はできないが、一年で16ヤード以上の飛距離アップは、ただ事ではない。このレベルの選手としては、大事件だと言えるだろう。
※スタッツは全てANAオープン終了時