【開発者インタビュー】“ゲージデザイン”に込められた情熱
【開発者インタビュー】“ゲージデザイン”に込められた情熱
配信日時: 2015年10月9日 04時20分
1999年にクラフトマンのDavid Whitlam(デビッド・ウィットラム)氏が立ち上げた『Gauge Design(ゲージデザイン)』。“秤”を意味するゲージの名称のとおり、緻密さ、正確さがPGAツアーで活躍するプロから評価されて信頼を受ける同ブランドは、惜しまれながらも一度はアメリカでの活動に集中すべく日本市場から撤退したが、2014年に再上陸。リリースされた『G2 Mill Series』はパターにこだわるコアなゴルファーから人気を博し、今季からはフェースのブレを抑えて正確なコロがりを実現する『Hummer』シリーズを投入している。9月下旬には開発者のウィットラム氏が来日。そこで彼にパターにかける情熱、新シリーズの機能性を語ってもらった。
−まず『ゲージ・デザイン』のパター作りに関してですが、“打音”にかなりのこだわりを持っていると伺いましたが?
「打音はかなり意識しています。自分自身がゴルファーとして、距離感を図るためにも“音のフィードバック”を非常に大事にしています。仮に1m、3m、10mで同じ打音であればフィードバックが得られないですからね」
−打音をしっかりと感じるパターを使うことで成長度合いも変わってくると?
『ストロークの正確さにこだわる必要もありますが、打音のフィードバックは確実にパターの成長につながると思っています。ひとつ例をあげると、特に女子プロゴルファーから“もっとやわらかい打感のパターを作ってください”と多く要望を受けるのですが、どんなに柔らかく心地よい打感のパターであってもパットが上手くなるわけではない。打音の違いで距離感を図る(ゲージする)ことができれば、感性を磨くことができます』
デザインのクオリティとともに、緻密な削りだしにより生み出される“打音と打感の絶妙なマッチング”が『ゲージ・デザイン』の最大の特徴だが、新作の『Hummer』シリーズ(画像はこちら→「Hummer Type0」「Hummer Type1」「Hummer Type2」)は、その理念を反映させた上で作られた大型マレットパター。だが市場にある大型マレットとは違ったアプローチで“ミスヒット時のヘッドのブレにくさ”を実現している。
−『Hummer』シリーズは“特大ヘッド”が印象的ですが、特徴を教えてください!
『一番のポイントはフェースのすぐ裏側に“ウエイトチップ”を配置していることですね。MOI(慣性モーメント)は一般的な大型マレットの半分程度ですが、スイートスポットの真後ろに重量を持ってきて、トゥ・ヒール側に最適な重量を配置することで、安定して真っすぐ打ち出すためのフェースのブレを防げるのです』
−一般的な大型マレットは可能な限りトゥ・ヒール側に重量配分し、MOIを上げますが?
『トゥ・ヒール側に重量を配置して、ブレないストロークを生み出すパターはマーケットに多いですが、“マーケットにない面白いパター”を生み出したいという気持ちから「Hummer」を製作しました。慣性モーメントは確かに低いですが、今回のアプローチであれば、ブレ防止に対する違いは出ないんですよ。ウエイトチップを中央に配置したことには、もうひとつ理由があって、実はウエイトチップのなかが“キャビティ=空洞”になっているんです。キャビティ部分に、タングステンパウダーを入れることで重量を高めることができる。最大で425gなのですが、あらゆるゴルファーへ重量フィッティングが可能になるんです』
−ソールも印象深いデザインですね。
『パターのソールは“ミルブリック”というデザイン。初めは単純にデザインだけとして入れていたんですが、パターテストでグリーンが濡れている状況下で、引っかかりにくくなるということがわかったのは驚きでした』
−あとは見た目のアライメント。
『サイトラインが2段に分かれて入っていて、アドレス時のライ角があっていないと、サイトラインがずれてしまうので、目標に合わせてしっかりと真っすぐ立てているかどうか確認することができます。ぜひ日本のアマチュアゴルファーにも、フェース裏のウエイトチップの効果、そしてこのアライメントの効果による“パターヘッドがブレずにしっかりと真っすぐコロがすことができる”感覚を体験して欲しいですね』
【デビッド・ウィットラム/David Whitlam】
1967年生まれ。カナダ出身。車の修理からエレベータのデザインまで様々な事業を手がける技術士だった父親の影響を受け、幼少時から機械を使って三輪車を研磨するなど遊び感覚で技術力を養う。アメリカのゴルフ企業でクラブ作りを学び、2000年に自身のブランド『Gauge Design(ゲージデザイン)』を立ち上げ。
−まず『ゲージ・デザイン』のパター作りに関してですが、“打音”にかなりのこだわりを持っていると伺いましたが?
「打音はかなり意識しています。自分自身がゴルファーとして、距離感を図るためにも“音のフィードバック”を非常に大事にしています。仮に1m、3m、10mで同じ打音であればフィードバックが得られないですからね」
−打音をしっかりと感じるパターを使うことで成長度合いも変わってくると?
『ストロークの正確さにこだわる必要もありますが、打音のフィードバックは確実にパターの成長につながると思っています。ひとつ例をあげると、特に女子プロゴルファーから“もっとやわらかい打感のパターを作ってください”と多く要望を受けるのですが、どんなに柔らかく心地よい打感のパターであってもパットが上手くなるわけではない。打音の違いで距離感を図る(ゲージする)ことができれば、感性を磨くことができます』
デザインのクオリティとともに、緻密な削りだしにより生み出される“打音と打感の絶妙なマッチング”が『ゲージ・デザイン』の最大の特徴だが、新作の『Hummer』シリーズ(画像はこちら→「Hummer Type0」「Hummer Type1」「Hummer Type2」)は、その理念を反映させた上で作られた大型マレットパター。だが市場にある大型マレットとは違ったアプローチで“ミスヒット時のヘッドのブレにくさ”を実現している。
−『Hummer』シリーズは“特大ヘッド”が印象的ですが、特徴を教えてください!
『一番のポイントはフェースのすぐ裏側に“ウエイトチップ”を配置していることですね。MOI(慣性モーメント)は一般的な大型マレットの半分程度ですが、スイートスポットの真後ろに重量を持ってきて、トゥ・ヒール側に最適な重量を配置することで、安定して真っすぐ打ち出すためのフェースのブレを防げるのです』
−一般的な大型マレットは可能な限りトゥ・ヒール側に重量配分し、MOIを上げますが?
『トゥ・ヒール側に重量を配置して、ブレないストロークを生み出すパターはマーケットに多いですが、“マーケットにない面白いパター”を生み出したいという気持ちから「Hummer」を製作しました。慣性モーメントは確かに低いですが、今回のアプローチであれば、ブレ防止に対する違いは出ないんですよ。ウエイトチップを中央に配置したことには、もうひとつ理由があって、実はウエイトチップのなかが“キャビティ=空洞”になっているんです。キャビティ部分に、タングステンパウダーを入れることで重量を高めることができる。最大で425gなのですが、あらゆるゴルファーへ重量フィッティングが可能になるんです』
−ソールも印象深いデザインですね。
『パターのソールは“ミルブリック”というデザイン。初めは単純にデザインだけとして入れていたんですが、パターテストでグリーンが濡れている状況下で、引っかかりにくくなるということがわかったのは驚きでした』
−あとは見た目のアライメント。
『サイトラインが2段に分かれて入っていて、アドレス時のライ角があっていないと、サイトラインがずれてしまうので、目標に合わせてしっかりと真っすぐ立てているかどうか確認することができます。ぜひ日本のアマチュアゴルファーにも、フェース裏のウエイトチップの効果、そしてこのアライメントの効果による“パターヘッドがブレずにしっかりと真っすぐコロがすことができる”感覚を体験して欲しいですね』
【デビッド・ウィットラム/David Whitlam】
1967年生まれ。カナダ出身。車の修理からエレベータのデザインまで様々な事業を手がける技術士だった父親の影響を受け、幼少時から機械を使って三輪車を研磨するなど遊び感覚で技術力を養う。アメリカのゴルフ企業でクラブ作りを学び、2000年に自身のブランド『Gauge Design(ゲージデザイン)』を立ち上げ。