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フットジョイに聞く。「シューズは何を選んでもスコアにあまり関係がない?」

いいに越したことはないけれど、こだわっているかと言われればそうでもない。ましてや、クラブと違い、ショットやスコアにあまり関係するとは思えないのがシューズだ。今はいろんなメーカーやブランドのシューズがお店に並んでいるけど、ぶっちゃけ、何を履いても一緒じゃないんですか?

2021年06月03日

 

“スコアが出る革底”のイメージを自ら覆す

ゴルフシューズには、激しい「スイング」の安定性と、不安定な足場で長時間「歩く」という、相反するものが求められます
もっと良い球を打ちたいし1打でも少ないスコアで上がりたいから、クラブやボールにはこだわる。だけどシューズの違いはよく分からないし、そんなに重要とは思えない。だが、フットジョイのマーケティング部・水野氏は「クラブやボールと同じようにシューズもこだわるべき」と切り出し、その理由をこう述べる。

「ゴルフには“球を打つ”と“歩く”動きがあり、打つ・スイングの土台となる足元の安定性やグリップ力が不可欠です。どんなに合うクラブや飛ぶボールを使っても、足元が不安定だと生かせませんし、ゴルフシューズは、それだけを追求すればいいわけではないく、ラウンドによっては10キロ近く歩くし、5〜6時間も履き続けます。コースには傾斜やアップダウンなど様々なライがあり、パットのラインを読むためにしゃがむと、スクワットを何回もするのと同じことだと言えます。

ミスをしたら歩く距離は長くなるし、球を大曲げしたら走って探しにいくこともあると思います。つまり、長く履いたり歩いたりしてもストレスがないこと(動きやすい、疲れにくい、ムレにくい)が不可欠となります。そういう“快適性”と“安定性”という両極端な要素が求められるゴルフシューズは、数あるスポーツシューズの中でも極めて特殊な存在。間接的にスコアにつながる重要な“ギア”だと考えています」(以下、水野氏)

それは分かるが、ゴルフシューズであれば、それほど差異があるとは思えないが……。
フットジョイは長い間ゴルフシューズだけを作り続けており、ゴルファーがいかにパフォーマンスを発揮できるかを考えてシューズを開発しています。そして、ツアープロからのフィードバックをベースに進化してきました。タフなコースセッティングでしのぎを削る選手にとって、安定感だけを重視した“重い・硬い”シューズと、同じレベルの安定感も備えた“軽い・柔らかい”シューズを履くのでは、後者の方が明らかに有利です」

シューズは進化したというが、それも謳い文句ではないのか。
重い革底から、軽いTPUソールへ
「いえ、進化しています。大きなポイントは“素材の進化”と“構造の工夫”です。かつての革底&メタルスパイクは、【硬くて重い=安定させる】ことが主眼でした。しかし今は『TPU』(サーモプラスチックポリウレタン)という、軽くても強度が高くて耐久性がある素材がある。また『EVA』(エチレン酢酸ビニル)は軽くてクッション性に優れた素材で、ミッドソールによく使われています。

人工皮革の進化も目覚ましい。そういう“素材改革”も生かして、新しい構造やパーツの組み合わせを取り入れられるようになった。そのノウハウをゴルフに応用し、従来できなかった“軽くても安定する”“柔らかくてもズレない”といった、相反する要素が両立できています。フットジョイはゴルファーだけに向き合って、開発をどんどん進めているんです」

柔らかくて軽やかなのにホールド性◎

フットジョイ『ハイパーフレックス ボア』(19,800円) ※価格はすべて税込表記。実勢価格は編集部調べ
「“現状のベスト”であり、最新テクノロジーを搭載した」という“21年モデル”の2機種。特に、“ハイパーアスレチックモデル”と謳う『ハイパーフレックス』は、本格派・正統派のイメージがあるフットジョイらしくないデザインだ。これって“軽・柔”なランニングシューズにスパイクがついただけじゃないのか? プロダクト担当・倉又氏はこう話す。

▶▶▶フットジョイ『ハイパーフレックス』を公式サイトでチェック!

「ゴルファーには色んなスタイルがあり、アパレルなどの趣味・趣向も多様化しています。『ハイパーフレックス』は、昨今のトレンドであるアスレチックシューズの“顔”をしていますが、ゴルフに必要な機能をふんだんに載せました。機能性がなければフットジョイのシューズとは言えません。まず、足元を安定させるために最も大事な、カカトと甲を素早くフィットしながらホールドする『WRAPID(ラピッド)』を搭載しています。
ヒールマウントのBOAはFJだけ
フットジョイだけの【ヒールマウントBOAダイヤル】を回すことで、カカト側を支えます。甲周りは“一枚パネル”でグルっと包み込んで、サイドのワイヤーで止まる『ラップシステム』でホールド性を高めました。それでいて、ツマ先側はギュッと締めつけず足指の働きも妨げない。また、アッパー素材はツマ先からヒールまで全てニット素材で“心地良さ・快適さ”を完備。足にフィットして“ソックス感覚”でストレスなく歩けます」(以下、倉又氏)

アッパーが“フルニット”ということは、雨が降ったり朝露がついた芝に触れると水が浸みてきそうだ。
軽量かつ耐久性の高いTPU製のアウトソール
「それも心配ご無用です。表面に撥水加工を施しながら、ニットの内部には防水・透湿のフィルムを貼っています。実際のところ、アッパーに水をじゃぶじゃぶかける実験をしても、水を弾いてシューズに浸水しません。しかも、シューズ内の湿気を外へ逃がすので、足がムレて暑くなったときに感じる疲れを防ぎます。

軽くてクッション性があって疲れにくく、耐久性もあります。いま考えられる最も優れたミッドソールですね。アウトソール表面の突起がついたプレートは『TPU』でスイング時も足元がネジれません。ゴルフに必要な機能を追求する『チューンド・フォー・ゴルフ』コンセプトで作られたシューズだからこそ、ツアープロも着用するのでしょう」

プロが認めた“安定感”と“軽さ”の融合

フットジョイ『ドラジョイズ プレミア』シリーズ(税込24,200円〜)
もう一つの新作シューズ『ドライジョイズ プレミア』シリーズは「パッカード」「ターロウ」「フリント」の3モデル・4タイプだ(「パッカード」は「BOA」も展開)。どれも紳士靴のような伝統的でフットジョイらしいルックスだが、今までに出たクラシックタイプのシューズとはどう違うのか知りたい。

「クラシカルでオーセンティックな見た目でも、新テクノロジーを載せた『ニュー クラシック』コンセプトです。従来のものは“安定感”を高めるため“重い・硬い”が伴いましたが、長時間履き続け長距離を歩くと、足の負担はかなりのもの。そうではなく、クラシカルでも“安定感”と“軽さ”を両立したのが『ドライジョイズ プレミア』。プロの足さばきに応える安定感がありながら、軽量で歩きやすく疲れにくいため、先の『マスターズ』ではモデル別使用率1位(自社調べ)でした」

▶▶▶フットジョイ『ドライジョイズ プレミア』シリーズを公式サイトでチェック!
見た目に、人工皮革のアッパーとは思えません!
ちょっと驚いたのは、アッパー素材が人工皮革なこと。フットジョイのクラシックモデルと言えば天然皮革じゃないのか?

「国内モデルは人工皮革のアッパーです。軽さや防水性はもちろん、アッパーに求められる適度な硬さがありつつ“内張りレザー”を貼って足を包み込むような柔らかさも持たせてます。メンテナンスしやすさや汚れにくさも人工皮革に分があり、天然皮革よりリーズナブル(2万円台)なことも見逃せません。以前に比べ今の人工皮革は【これって本革じゃないの?】というほど質が向上し、間違いなくメリットがあります」

シューズを裏返してソールのパターンを見ると、色違いの細かい凸部が入り組んでいるが、その狙いは?
硬い【黒】の部分が外側に向いている前足部(左)に比べ、カカトから着地する部分は【銀】のソフトな部分が外側に向いています
「硬さが異なる2種類の『TPU』でできたラグ(凸部)を絶妙に配しました。硬い凸部(黒)はコース上で、柔らかい凸部(シルバー)は硬くて滑りやすい地面でグリップ力を発揮します。特に前足部は、硬い凸部が外側にあります。スイング中は足の外側へ体重移動をするので、そこへ体重が乗ったときに地面を噛んで安定させるため。

歩く時やスイングでは足の母指球に力がかかるので、凸部を密集させグリップ力を高めます。カカト側は柔らかい凸部が外側ですが、8〜9割の人が歩く際に“ヒールストライク”といってカカトから着地します。だから、柔らかく接地できるクッション性を持たせ、滑らせない。それが『ニューバーサトラックスプラス』アウトソールです」

ネーミングに込められた、『FJ』のストーリーと想い

トップ選手に人気の『ドライジョイズプレミア』シリーズの3モデル、それぞれの個性的なモデル名はどこから来ているのか。前出の水野氏は、フットジョイのルーツをたどりながらこう話す。

「1857年の創業から約50年おきに、極めて重要な決断をした3人のリーダーがいて、その“レジェンド”の名前をモデル名にしました。時代の変革期にあって、今の私たちが『もう一回、新しいチャレンジをしていく』という思いも込めています。フレドリック・パッカードは創業者であり、当時は画期的だった左右の足の形に合うブーツと靴を量産化しました。“より足に合った靴を多く提供する”という想いは、フットジョイのシューズ作りの原点と言えます。

1910年に入社したパーリー・フリントは、本格的なゴルファーで“ゴルフのためのシューズ”作りに力を注ぎます。グリップ性を高めるメタルスパイク鋲と、それを支えるソールに工夫を凝らしたゴルフシューズを開発しました。創業から100年たった1957年には、ターロウ・ファミリーが会社を買収します。大きなビジネスだったドレスシューズから手を引いて“ゴルフシューズに専念・特化する”英断を下しました」

そもそも『ドライジョイズ』のネーミングには、どんな意味が込められているのだろう。
「防水性です。1989年に発表した『ドライジョイズ』(初代)は、当時なかった“防水仕様のゴルフシューズ”で、プロ・アマ問わず支持されました。雨でシューズの中が濡れると、足が冷え、安定感が損なわれてベストなパフォーマンスが出しづらくなりますが、『ドライジョイズ』は雨の日に18ホール回っても水が入りません。それでいて屈曲性や安定性を保ちながら量産するのは、30年以上も前では相当な技術を要したでしょう。それ以来ずっと、フットジョイは防水性にこだわっています」(水野氏)

モノ作りを追求すると言っても、ハード面は他のメーカーとそれほど変わらないんじゃないか? この疑問には前出の倉又氏が答える。
「“ゴルフシューズだけを作る工場”を持っているのはフットジョイだけです。他のスポーツシューズの生産ラインが沢山ある中で、ゴルフシューズを作っているわけではありません。“FJのシューズを作るFJだけの工場”だからこそ、品質の一括管理や統一化ができて、量産しても均一性が保てます」

フットジョイには伝統があると分かったが、それによって何が生まれるのだろう? 水野氏はこう結ぶ。

フットジョイというブランドの伝統は大事にしています。ただそれは、先人たちが新しいことを追い求め進化し続けて、積み重ねた結果を後から振り返った人や周りの人たちが“伝統”と評価しているのでしょう。私たちは伝統に頼るわけでもこだわるわけでもありません。もっと新しい何かを、イノベーティブなこと、より良いモノを求めて、常にその時のベストを目指す。全てはゴルファーのためです」

撮影(静物)・高橋淳司
文・新井田 聡
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