テーラーメイドの『SIM2 ドライバー』ってどんなクラブ?
ロマン派ゴルフ作家、ゴルフエッセイスト、ヴィクトリアゴルフのショップ店員、ALBA編集部のギア担当など、専門家が話題のギアをズバッと解説!
配信日時: 2021年4月2日 08時00分
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「適度なスピンになれば最強の武器になる!」 by ヴィクトリアゴルフ世田谷店チーフ・佐藤一樹
ヴィクトリアゴルフ世田谷店・佐藤です。
テーラーメイド『SIM2 ドライバー』の印象をお伝えします。
テーラーメイドが2021年2月19日に発売したクラブで、「既成概念を打ち破る、革新のSIM2 ドライバー」というコピーでした。
初代の『SIM シリーズ』のドライバーも、ツアードライバーとしてツアーの世界で実績を残し、市場でも大ヒットしました。後継機種で、フラッグシップモデルとなる『SIM2 ドライバー』にも期待が高まります。
注目すべき新しいテクノロジーは、「フォージドアルミニウムリング」です。フルカーボンソール、カーボンクラウン、カップフェースという3つのパーツをアルミニウムの枠がプラモデルのように繋ぎ止めるような構造になっています。より多くの余剰重量を得たことで、高慣性モーメントになり、適切な重心位置のヘッドになることから、飛距離アップを狙えるようです。
前モデルから進化したのは「イネーシャジェネレーター」です。ヘッドの空気抵抗を減らして、ヘッドスピードをアップし、ソール全面にカーボン素材を採用したことで、前モデルよりも重心位置を自由に設定することができたそうです。
従来の設計では、矛盾が生まれて難しかった「低スピン」「高初速」「飛距離」「許容性」が、『SIM2 ドライバー』では共存できるようになったということです。ソール後方に16グラム、フェース近くにもウェイトを配置している「スプリット マス ウェイト」も、4つの要素を共存させるためのテクノロジーです。
「スピードインジェクション」も進化しました。高反発フェースを作り、フェースの裏に樹脂を注入して反発係数ギリギリまで数値を落として、ギリギリの飛びを追求したテクノロジーは、今回から、樹脂を注入する場所が二カ所ではなく、一カ所になりました。「ツイストフェース」も健在です。ミスヒット時に、左右の曲がりを軽減します。フェースの下部でのミスヒットでも無駄なスピンを抑える「貫通型スピードポケット」も搭載されています。
最後に、この3つのテクノロジーが搭載された従来のシートフェースから溶接を廃した「ミドルバックカップフェース」です。薄くするところは薄く、トウ側には厚みがあり、よりボディーと一体型になりました。単なるカップフェースではない『SIM2 ドライバー』のテクノロジーです。
『SIM2 ドライバー』は、テーラーメイドが持ってる最先端を詰め込んでいながら、実質的にはカーボンヘッドのような挑戦的な部分もあるのです。フラッグシップモデルとして、ツアードライバーの頂点を意識したドライバーのようです。
世田谷店のお客様の『SIM2 ドライバー』の反応は……
「こういうドライバーを待っていた」というお客様に売れています。
『SIM2 ドライバー』は、とにかく、浅重心というか、前重心です。弾道も中弾道になります。
ツアードライバーが、やさしくなる傾向が続いている現在の市場では、バリバリに打てるお客様は戸惑っているケースが多いという現実があります。簡単すぎて、アンダースペックになってしまうドライバーが多いからです。極端にいうと、ボールが上がりすぎて、飛距離をロスしてしまう悩みが増えているというわけです。
『SIM2 ドライバー』は、そういうお客様にとって、まさに「待っていた」ドライバーなのです。
お客様が試打しているところを見ていると、ボールの高さが本当に低いのです。この個性が『SIM2 ドライバー』の最大の魅力です。
自分でも打ってみました。
『SIM2 ドライバー』は、新しい『SIM シリーズ』のドライバーの中で、一番しっかりしています。思いっ切り振っても、余りが出ないという感触があります。飛距離は250ヤードから260ヤードで、低スピンで飛ばせるドライバーとして、ずば抜けて優秀です。
ボールの弾道をイメージして打ちたいというゴルファーに『SIM2 ドライバー』はオススメです。ハードヒットしても、スピンがかかりすぎて吹き上がらないドライバーが欲しいゴルファーにもオススメします。
構えたときに、少しフェースが開きやすい感じがしました。これは意図的なものだと思われますが、こういう部分も含めて、違和感なく使えることが『SIM2 ドライバー』のユーザーになれるかというポイントになると思います。
『SIM2 ドライバー』は、低スピンで飛ばせるクラブとして、本当に良く出来ていると感心しました。フラッグシップモデルだからと、見栄で使うドライバーではなく、自分のために生まれてきたドライバーだと感じたゴルファーに使って欲しいです。
誰もが知っている大メーカーが、極端に絞られたターゲットゴルファーにだけ使えるドライバーを市場に投入するのは邪道だという意見もありますが、個人的には、『SIM2 ドライバー』で救われるゴルファーがたくさんいると思うので、素晴らしいことだと思います。自分のためのドライバーだと、少しでも感じた人には打ってみて欲しいです。
テーラーメイド『SIM2 ドライバー』の印象をお伝えします。
テーラーメイドが2021年2月19日に発売したクラブで、「既成概念を打ち破る、革新のSIM2 ドライバー」というコピーでした。
初代の『SIM シリーズ』のドライバーも、ツアードライバーとしてツアーの世界で実績を残し、市場でも大ヒットしました。後継機種で、フラッグシップモデルとなる『SIM2 ドライバー』にも期待が高まります。
注目すべき新しいテクノロジーは、「フォージドアルミニウムリング」です。フルカーボンソール、カーボンクラウン、カップフェースという3つのパーツをアルミニウムの枠がプラモデルのように繋ぎ止めるような構造になっています。より多くの余剰重量を得たことで、高慣性モーメントになり、適切な重心位置のヘッドになることから、飛距離アップを狙えるようです。
前モデルから進化したのは「イネーシャジェネレーター」です。ヘッドの空気抵抗を減らして、ヘッドスピードをアップし、ソール全面にカーボン素材を採用したことで、前モデルよりも重心位置を自由に設定することができたそうです。
従来の設計では、矛盾が生まれて難しかった「低スピン」「高初速」「飛距離」「許容性」が、『SIM2 ドライバー』では共存できるようになったということです。ソール後方に16グラム、フェース近くにもウェイトを配置している「スプリット マス ウェイト」も、4つの要素を共存させるためのテクノロジーです。
「スピードインジェクション」も進化しました。高反発フェースを作り、フェースの裏に樹脂を注入して反発係数ギリギリまで数値を落として、ギリギリの飛びを追求したテクノロジーは、今回から、樹脂を注入する場所が二カ所ではなく、一カ所になりました。「ツイストフェース」も健在です。ミスヒット時に、左右の曲がりを軽減します。フェースの下部でのミスヒットでも無駄なスピンを抑える「貫通型スピードポケット」も搭載されています。
最後に、この3つのテクノロジーが搭載された従来のシートフェースから溶接を廃した「ミドルバックカップフェース」です。薄くするところは薄く、トウ側には厚みがあり、よりボディーと一体型になりました。単なるカップフェースではない『SIM2 ドライバー』のテクノロジーです。
『SIM2 ドライバー』は、テーラーメイドが持ってる最先端を詰め込んでいながら、実質的にはカーボンヘッドのような挑戦的な部分もあるのです。フラッグシップモデルとして、ツアードライバーの頂点を意識したドライバーのようです。
世田谷店のお客様の『SIM2 ドライバー』の反応は……
「こういうドライバーを待っていた」というお客様に売れています。
『SIM2 ドライバー』は、とにかく、浅重心というか、前重心です。弾道も中弾道になります。
ツアードライバーが、やさしくなる傾向が続いている現在の市場では、バリバリに打てるお客様は戸惑っているケースが多いという現実があります。簡単すぎて、アンダースペックになってしまうドライバーが多いからです。極端にいうと、ボールが上がりすぎて、飛距離をロスしてしまう悩みが増えているというわけです。
『SIM2 ドライバー』は、そういうお客様にとって、まさに「待っていた」ドライバーなのです。
お客様が試打しているところを見ていると、ボールの高さが本当に低いのです。この個性が『SIM2 ドライバー』の最大の魅力です。
自分でも打ってみました。
『SIM2 ドライバー』は、新しい『SIM シリーズ』のドライバーの中で、一番しっかりしています。思いっ切り振っても、余りが出ないという感触があります。飛距離は250ヤードから260ヤードで、低スピンで飛ばせるドライバーとして、ずば抜けて優秀です。
ボールの弾道をイメージして打ちたいというゴルファーに『SIM2 ドライバー』はオススメです。ハードヒットしても、スピンがかかりすぎて吹き上がらないドライバーが欲しいゴルファーにもオススメします。
構えたときに、少しフェースが開きやすい感じがしました。これは意図的なものだと思われますが、こういう部分も含めて、違和感なく使えることが『SIM2 ドライバー』のユーザーになれるかというポイントになると思います。
『SIM2 ドライバー』は、低スピンで飛ばせるクラブとして、本当に良く出来ていると感心しました。フラッグシップモデルだからと、見栄で使うドライバーではなく、自分のために生まれてきたドライバーだと感じたゴルファーに使って欲しいです。
誰もが知っている大メーカーが、極端に絞られたターゲットゴルファーにだけ使えるドライバーを市場に投入するのは邪道だという意見もありますが、個人的には、『SIM2 ドライバー』で救われるゴルファーがたくさんいると思うので、素晴らしいことだと思います。自分のためのドライバーだと、少しでも感じた人には打ってみて欲しいです。
コメンテータープロフィール
佐藤一樹
目の肥えたお客様が多いヴィクトリアゴルフ世田谷店でチーフを務める。
目の肥えたお客様が多いヴィクトリアゴルフ世田谷店でチーフを務める。