同一ヘッドを削ってテスト。フェース or クラウン【たわむと飛ぶ1W】はどっち?
昨今のドライバーは「○○○○がたわむ」といって飛びを謳うモデルが多い。でも、これってどんな現象? 今回、そんな疑問に答えるべく、同じヘッドで部位を変えて研磨し、疑似「クラウンたわみ」と「フェースたわみ」を作成。性能の違いを分析した。(当企画はALBA本誌連動企画です)
配信日時: 2019年1月23日 00時20分
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近頃【たわみ】が話題になりすぎだが…
筆者 「最近というか、ここ数年、最新ドライバーは各社が【たわみ】をアピールしていますよね。顕著な例として、キャロウェイが【2本の柱でボディを固めると、フェースのたわみが大きくなる】として、『GBB EPIC』『ROGUE』とスマッシュヒットにつなげました。直近の『EPIC FLASH』にも、もちろん、2本の柱は健在ですよね。3代続けて採用するところに、何となくメリットは感じますよね?
それとは逆に、クラウンのたわみをアピールするのが、ブリヂストンを中心として国産ブランドです。ブリヂストンは『JGR』を代表に、ここ数年の歴代ドライバーのクラウンに溝を付けてたわみを大きくしていますし、直近の『TOUR B XD-3』はクラウンに金属弦を設けて、復元の速さで初速を出す構造です。
それの良いとこ取りをして見えるのが、プロギア『RS』ですよね。元々フェース寄りのクラウンがナナメになった構造で初速が出る上に、ヘッドの反発テストを全数検査するなどして、初速ギリギリエリアの広さがむちゃくちゃ大きくなっているとのこと。どのメーカーも、たわませる場所や構造、テクノロジーは独自ですが【たわみ】をアピールすることに違いはないです」
PCM編集長(以下、P編) 「そうだね。クラウンたわみのBSか? フェースたわみのキャロウェイやミズノか? それとも両方のプロギアか? たわみは人間の肉眼では確認できないだけに打って初速が出るかでメリットを想像するしかないんだけど…」
PCM筒康博(以下、筒) 「いや、テストできます! 同じヘッドを用意して、フェースだけ削るもの、クラウンだけ削るものと、肉厚を薄くしてノーマルのものとテストすれば傾向は見えるんじゃないですか? たわみにメリットがあるかないか? の確認ならできると思いますよ」
ALBA編集部・田辺(以下、田辺) 「いいですね!それ、やってみましょう!」
筒 「じゃあ、手持ちの古いキャロウェイ『初代ビッグバーサメタル』を削りますね」
PCM編集長(以下、P編) 「そうだね。クラウンたわみのBSか? フェースたわみのキャロウェイやミズノか? それとも両方のプロギアか? たわみは人間の肉眼では確認できないだけに打って初速が出るかでメリットを想像するしかないんだけど…」
PCM筒康博(以下、筒) 「いや、テストできます! 同じヘッドを用意して、フェースだけ削るもの、クラウンだけ削るものと、肉厚を薄くしてノーマルのものとテストすれば傾向は見えるんじゃないですか? たわみにメリットがあるかないか? の確認ならできると思いますよ」
ALBA編集部・田辺(以下、田辺) 「いいですね!それ、やってみましょう!」
筒 「じゃあ、手持ちの古いキャロウェイ『初代ビッグバーサメタル』を削りますね」
―― テストクラブを用意して後日 ――
P編 「よし、筒さんに研磨を頑張ってもらったから、みんなで打ってみよう。今日はYouTuberのダバードこと、中村亮太くんも呼んだからね」
ダバード中村(以下、ダバード) 「皆さん、あんまりクラブのことは分かりませんが、よろしくお願いします!」
P編 「よし、筒さんに研磨を頑張ってもらったから、みんなで打ってみよう。今日はYouTuberのダバードこと、中村亮太くんも呼んだからね」
ダバード中村(以下、ダバード) 「皆さん、あんまりクラブのことは分かりませんが、よろしくお願いします!」
クラウンたわみ=打ち出し【大】、フェースたわみ=真ん中打点の初速【大】
―― 各人がクラウン削り、フェース削り、ノーマルを試打 ――
<同一ヘッドのクラウン、フェースをそれぞれ研磨して行った今回のテスト。ボール初速や打ち出し角といった飛びに影響する数値に大きな違いが出た>
筒 「クラウンを研磨したヘッドは、1度以上も打ち出し角が高くなりましたし、フェースを研磨した方は明らかに初速がアップしました。打感もそれぞれ変化していて、元が同じヘッドとは思えないくらい性能が変化しています。部分によって剛性や重量配分を替えて、性能をコントロールする現代のドライバーの進化の過程を体感できました。ギアのルール規制がある中で、飛びを最大化するにはたわみを使わない手はありませんね」(筒)
ダバード中村 「ボクは、打ち出し角が低くてスライス気味の球なんですけど、クラウンたわみだとヘッド全体で弾くというか、一番結果が良かったです。何というか、明らかに球が上がりやすくなってミスに強い気がします。フェースたわみの方は、芯に当たればいいんですけど、今回みたいな小さなヘッドだと、ちょっとしんどいですね……」
<同一ヘッドのクラウン、フェースをそれぞれ研磨して行った今回のテスト。ボール初速や打ち出し角といった飛びに影響する数値に大きな違いが出た>
筒 「クラウンを研磨したヘッドは、1度以上も打ち出し角が高くなりましたし、フェースを研磨した方は明らかに初速がアップしました。打感もそれぞれ変化していて、元が同じヘッドとは思えないくらい性能が変化しています。部分によって剛性や重量配分を替えて、性能をコントロールする現代のドライバーの進化の過程を体感できました。ギアのルール規制がある中で、飛びを最大化するにはたわみを使わない手はありませんね」(筒)
ダバード中村 「ボクは、打ち出し角が低くてスライス気味の球なんですけど、クラウンたわみだとヘッド全体で弾くというか、一番結果が良かったです。何というか、明らかに球が上がりやすくなってミスに強い気がします。フェースたわみの方は、芯に当たればいいんですけど、今回みたいな小さなヘッドだと、ちょっとしんどいですね……」
筆者 「確かに、削りまくってフェースたわみにすると、おそらく高反発になっちゃったと思うんですが、真ん中に当たるとすごく初速が出るものの、ボクやダバード中村さんのように外した時にはいまいちメリットを感じづらかったのも否めませんね。そういえば、昔の高反発クラブって、芯が一円玉くらいの大きさしかないとよく言われてました…」
P編 「たしかに昔の高反発は一発の飛びはすごいけど、なかなか芯に当たらなかったなぁ〜。長岡なんて、今でもこのザマだし、当時はもっとダメだっただろう?」
筆者 「………。(ムカッ、昔は今よりミート率高かったって!)」
ダバード 「そうなんだ。(最近ゴルフ始めたからわかんないや)じゃあ、ボクが下手なわけじゃなくて、フェースを削ると芯が狭く感じてもいいんですね」
P編 「たしかに昔の高反発は一発の飛びはすごいけど、なかなか芯に当たらなかったなぁ〜。長岡なんて、今でもこのザマだし、当時はもっとダメだっただろう?」
筆者 「………。(ムカッ、昔は今よりミート率高かったって!)」
ダバード 「そうなんだ。(最近ゴルフ始めたからわかんないや)じゃあ、ボクが下手なわけじゃなくて、フェースを削ると芯が狭く感じてもいいんですね」