堀川未来夢と時松隆光の2人は、長年のBOAユーザー
9月に入ってようやく国内開幕を迎えた男子ツアー。「フジサンケイクラシック」で主役の座に輝いた星野陸也だった。その星野を7バーディ・ボギーなしの「64」で最終日に猛追してプレーオフに持ち込み、簡単に勝たせなかったのは27歳の堀川未来夢。そして3日目に「65」を叩き出して、一気に順位を上げ、3位タイに食い込んだのは27歳の時松隆光。将来の日本男子ゴルフ界を背負って立つ若き2人が、大会を最後まで盛り上げた。
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堀川と時松が履くゴルフシューズはメーカーこそ違えど、ともにカチカチとダイヤルを回して足にフィットさせるBOAフィットシステムを搭載している。久しぶりの4日間大会で、疲れの出る3日目や最終日に高いパフォーマンスを発揮できたのは、BOA搭載シューズの力を無視できない。できる男のシューズへのこだわりについて聞いてみた。
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堀川がBOAを選んだのは「締まり具合を左右対称にしやすい」
堀川の使用モデルは、ブリヂストンスポーツの『ゼロ・スパイク バイター ツアー』
堀川は昨年の国内メジャー「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」で初優勝を挙げ、賞金ランキングも6位と躍進した。彼が愛用するのは、ブリヂストンスポーツがこの8月に発売したスパイクレスシューズ『ゼロ・スパイク バイター ツアー』。BOAフィットシステムにより、すばやく自分に合ったフィット感に調節することができる。スパイクレスながらグリップ性能は高い。
「フジサンケイクラシック」で堀川は初めてこのモデルを投入したが、BOA歴自体は3年と長く、「やっぱりラウンド中に脱いだり履いたりするのは楽ですよね。靴ひもだと片方だけ脱いだりしたときに、絞まり具合に左右の差が出たりします。でもBOAなら微調節が利くから左右対称の感覚にしやすいんです」とBOAのメリットを説明する。
7時間ずっと履きっぱなしだから、軽いシューズのほうが楽
堀川はシューズ選ぶときに、軽くて疲れにくいことを重視している
多くの一般ゴルファーは週末にラウンドして、次にゴルフシューズを袋から出すのは早くても一週間後ぐらいだろう。でもツアープロは違う。練習日、プロアマ、4日間の試合と6日連続でゴルフシューズを履くことになる。現在はコロナ禍で相次いで試合が中止となっているが、通常であれば、6日連続のゴルフが毎週のように続く。
そんな堀川が特にこだわっているのは“軽さ”だ。「一日シューズを履いている時間は、7時間にも8時間にもなります。7時間ずっと重たいシューズで歩くよりも、軽いシューズのほうが楽ですよね。今のシューズはスニーカーのように軽くて疲れにくい。あとは滑らないことと、水が入らないことをシューズ選びでは重視しています」。
プレーオフで起死回生のバンカー目玉からパーセーブ
堀川は星野とのプレーオフ1ホール目、目玉からパーセーブしてピンチを脱した
グリップ力といえば、「フジサンケイクラシック」のプレーオフの1ホール目が印象的だった。星野が2オンしてパーは確実な位置に付けたのに対し、堀川の2打目はガードバンカーに刺さるようにして落ち、目玉となっていた。しかも左足上がりの不安定な状況だったが、堀川はしっかりと下半身を固定。絶対にボギーを打てない状況で、脱出させるだけでなく見事にパーセーブし、勝負を次のホールに持ち込んだ。最後は3ホール目で星野に難しいバーディパットを決められたが、どちらが勝ってもおかしくない展開だった。ブリヂストンの誇るアウトソールのグリップ力を引き出すのも精密なフィットがあればこそ。
自分の足の形に馴染ませてから試合で履く
自分の足に馴染ませてから試合に投入することで、高いパフォーマンスを発揮できる
そして堀川は、試合でいきなり新品を下ろさずに、練習ラウンドで必ず試し履きをするようにしている。「履き慣れていないシューズは、形がまだ自分の足に馴染んでいなかったりして、靴ズレを起こしたりします。サイズ自体は合っていても、左右の高さが少し合っていないときもある」。本番前に試し履きをしていくうちに、だんだん自分の足の形にシューズがフィットして馴染んでいくのだ。
BOAフィットシステム搭載シューズは、ブリヂストンスポーツでもいくつかラインナップされているが、堀川は一度決めたモデルから浮気しない。「履くシューズは一種類。他のモデルだと重さも違うし、履いた感覚も全然違うんです。一種類ならショットでもパッティングでも同じ高さで打てます」。これがどんなときも高いパフォーマンスを発揮できる理由の1つだろう。