ヤマハ『RMX VD40』はアイアンの歴史を変える? 他社のウッドを越すMOI「4000」の衝撃
取材・文/苔縄和裕 撮影/相田克己 取材協力/小田急藤沢ゴルフクラブ(神奈川県)
配信日時: 2022年3月10日 03時00分
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トゥとヒールへの大胆な重量配分でMOI4000超え!
「他社のFWを越えるMOIを持つアイアン」。そう聞くと、既にアイアンの概念や常識を完全に超越していることが分かるが、はたして本当に役立つのか? 東京・目黒で「SEKI GOLF CLUB 目黒」を主宰し、スイングコーチ&フィッターとしてスイングとギアに精通する関浩太郎氏に協力を依頼した。
『RMX VD40』アイアンの一番の特徴は、ネックの裏側に突起がついた独特の形状。この突起の重さとトゥ側の厚みによって重量をヘッドの両側に配分し、アイアンとしては前代未聞の4000g・㎠ という慣性モーメントを実現。打点がズレたときの飛距離ロスと左右のブレを防ぎ、「アマチュアが、パーオン率が上がる楽しさを感じられるアイアンに仕上がっている」と関はいう。
『VD 40』は打点がズレても着弾点のブレが大幅現象!
「『RMX VD40』はアイアン史上最高にスイートエリアが広いですね。 通常、打点がトゥ側にズレるとフェースが開き、ヒール側にズレると閉じる方向に動きますが、『RMX VD40』はフェースの向きが変わらず、真っすぐボールを押し出してくれます」(関)
打点ズラしのテストでも、その効果は絶大だった。『RMX VD40』と前作『RMX 220』で、打点を左右に15ミリ、上下に10ミリズラして5球ずつ打ち飛距離と方向性をチェックしたが、スイートエリアが広いといわれた『RMX 220』の飛距離ロスが全体で約8%なのに対し、『RMX VD40』は約3%という驚きの結果に。
特にトゥ側とヒール側の強さが秀逸だった。フェースセンターとトゥ側、ヒール側で打ったときの方向性のブレは、『RMX 220』が10〜15ヤードなのに対し、『RMXVD40』は5ヤード前後で「グリーンを外す心配がないですね」との関の言葉も納得がいく。
打点ズラしのテストでも、その効果は絶大だった。『RMX VD40』と前作『RMX 220』で、打点を左右に15ミリ、上下に10ミリズラして5球ずつ打ち飛距離と方向性をチェックしたが、スイートエリアが広いといわれた『RMX 220』の飛距離ロスが全体で約8%なのに対し、『RMX VD40』は約3%という驚きの結果に。
特にトゥ側とヒール側の強さが秀逸だった。フェースセンターとトゥ側、ヒール側で打ったときの方向性のブレは、『RMX 220』が10〜15ヤードなのに対し、『RMXVD40』は5ヤード前後で「グリーンを外す心配がないですね」との関の言葉も納得がいく。
独特なネック形状も、改良を重ね、「構えると普通」
楽器や音響などの開発にも携わるヤマハのデザイン研究所が設計に参加。写真のように手作業で何度もモックを作り直し、MOI4000g・㎠と構えやすい外観の両立に成功した。完成した形状は、ソールにいくつも面取りがされ、大型ヘッドとは思えない【抜けの良さ】と【構えやすさ】にも徹底的にこだわったとか。
「これだけヘッドが大きいのに重心バランスがよく、フェースを開閉してインサイドから下ろしても、シャットフェースでアウトサイドから下ろしてもスクエアにインパクトできるのも特長です。打点だけでなくスイング軌道がバラつく人にも合う、究極のパーオン率爆上がりアイアンですね」(関)
とはいえ、アイアンはサイズの好みも大きなもの。「もう少し小ぶりなモノが欲しい」と思う人には別の選択肢も用意されている。
とはいえ、アイアンはサイズの好みも大きなもの。「もう少し小ぶりなモノが欲しい」と思う人には別の選択肢も用意されている。
関「RMX VDは、小さいのに寛容性と操作性のバランス◎」
アイアン巧者の契約プロ多数を抱えるヤマハだけに、その開発リクエストや課題は大型ヘッドだけにとどまらない。そう、主に2人の契約プロの下記のようなリクエストから生まれたのが『RMX VD』アイアンだ。
「今使っているアイアンのスピン量をキープしたままキャリーを7ヤード伸ばしたい」(藤田寛之)
「ツアーモデルと同じ感覚で構えて打てるやさしいアイアンがほしい」(永井花奈)
どちらも、ハイレベルな操作性と外観を保ったまま、飛距離と寛容性を伸ばすという難題だが、それを実現したのがクロムモリブデン鋼の一体鋳造で、小ぶりながらアンダーカットキャビティ構造にした。
結果、「重心高は高すぎず低すぎない絶妙な高さで、ヘッドを鋭角に入れてスピンをかけることもできるし、タメが解けてヘッドがシャローに入っても球が上がって確実にボールを運べる」と関は言う。見た目、寛容性、操作性の絶妙なバランスが得られる重心設計を可能にしていた。
「『RMX VD』はシャープな見た目と打球とのギャップがすごいですね! スイング軌道や入射角を変えることで球筋や弾道の高さを打ち分けられる操作性がありながら、打点が左右にズレてもミスを最小限に抑えてくれるし、薄めの当たりでもグリーンに届いてくれます。アイアンにやさしさとカッコよさを求めるすべてのゴルファーに使ってほしいオールマイティアイアンです」(関)
結果、「重心高は高すぎず低すぎない絶妙な高さで、ヘッドを鋭角に入れてスピンをかけることもできるし、タメが解けてヘッドがシャローに入っても球が上がって確実にボールを運べる」と関は言う。見た目、寛容性、操作性の絶妙なバランスが得られる重心設計を可能にしていた。
スピン性能を維持してキャリーを伸ばす
『RMX VD』と『RMX VDツアーモデル』の弾道を比べると、上記のように藤田寛之のリクエスト通りキャリーが約7ヤードアップ。スピン量はわずかに少ないが、グリーンに止めたり距離や球筋を打ち分けるのに十分なスピンを確保。プロが求める高い操作性を備えている。
ウッドを越えるMOIでアイアンの常識を塗り替える、大型ヘッド『RMX VD40』アイアン。ツアープロが納得する形状と、操作性・スピン・寛容性を両立する小ぶりな『RMX VD』アイアン。いずれも従来のアイアンの常識を変えつつある。どちらを選んでも、常識破りの結果が得られそうである。
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