ドライバーの評価基準が変わった! “叩ける”はもはや絶滅寸前に
text by Kazuhiro Koyama
配信日時: 2019年3月8日 03時00分
「つかまる」ことが100%肯定的な時代に
2019年の新製品も出揃ってきた感がある。筆者はゴルフギアライターという職業柄、プロや有識者からクラブへの様々な評価を聞く機会が多いが、最近になって、ある傾向に気づいた。それは多くの有識者がドライバーに対して「つかまりがいい」と評していることだ。それも全面的にポジティブな表現として用いられている。
今年の新製品でいえば、テーラーメイド『M6』が前作である『M4』よりもつかまりが良く、キャロウェイ『EPIC FLASH SUBZERO』もまた、一昨年の『GBB EPIC SUBZERO』よりつかまりが良くなったことが、それぞれ高評価されている。「つかまりがいい」ことを評価する声は以前からあったが、今年は特にそれが顕著に見られる。“つかまり”は、2019年ドライバーの隠れたキーワードだ。
実際のところ、市場のドライバーは重心角がどんどん大きくなっている。重心角とは、クラブを水平の台に置いた際のフェースの向きを表すもので、ボールのつかまり度合いと比例関係にある。重心角が大きいほど、つかまりも良くなるという指標だ。
かつて、プロが愛用するようなアスリートモデルは、重心角が20度を切るものが大半だった。しかし、現在はアスリートモデルであっても20度以上は当たり前で、アベレージモデルの水準に近い25度を超えるものもある。新たに発売された『ミズノプロ』のように、アスリートモデルであっても、ヘッドターンによる“つかまり”を売りにするクラブも現れた。
いわゆるスライサー向けのドライバーでは、この傾向はさらに顕著で、近年はブリヂストン『TOUR B JGR』やテーラーメイド『M グローレ』、そしてヤマハ『inpres UD+2』など、特につかまりのいいモデルが増えている。『inpres UD+2』の重心角は33度という非常に大きなものになっている。
この傾向はなぜかといえば、投影面積が大きく扁平でヘッドが返りにくい大型ヘッドが主流になっているためだ。現代のドライバーの形状は、根本的につかまりにくい特性をもっているため、それを補うためにつかまりやすさを強調したモデルが増えてきているのだ。
“つかまる”とは、本来は左にいきやすいということだ。それまで右に飛んでいた人は真っ直ぐ飛ぶかもしれないが、もともと左に飛んでいた人は、ひっかけボールしかでなくなる可能性もある。
しかし、投影面積の大きな現代の大型ヘッドが、“つかまる”ということを100%ポジティブな言葉に変えたと言える。左にいきやすいクラブは評価され、右にいきやすいクラブは評価どころか、まさに市場から消えようとしている。
今年の新製品でいえば、テーラーメイド『M6』が前作である『M4』よりもつかまりが良く、キャロウェイ『EPIC FLASH SUBZERO』もまた、一昨年の『GBB EPIC SUBZERO』よりつかまりが良くなったことが、それぞれ高評価されている。「つかまりがいい」ことを評価する声は以前からあったが、今年は特にそれが顕著に見られる。“つかまり”は、2019年ドライバーの隠れたキーワードだ。
実際のところ、市場のドライバーは重心角がどんどん大きくなっている。重心角とは、クラブを水平の台に置いた際のフェースの向きを表すもので、ボールのつかまり度合いと比例関係にある。重心角が大きいほど、つかまりも良くなるという指標だ。
かつて、プロが愛用するようなアスリートモデルは、重心角が20度を切るものが大半だった。しかし、現在はアスリートモデルであっても20度以上は当たり前で、アベレージモデルの水準に近い25度を超えるものもある。新たに発売された『ミズノプロ』のように、アスリートモデルであっても、ヘッドターンによる“つかまり”を売りにするクラブも現れた。
いわゆるスライサー向けのドライバーでは、この傾向はさらに顕著で、近年はブリヂストン『TOUR B JGR』やテーラーメイド『M グローレ』、そしてヤマハ『inpres UD+2』など、特につかまりのいいモデルが増えている。『inpres UD+2』の重心角は33度という非常に大きなものになっている。
この傾向はなぜかといえば、投影面積が大きく扁平でヘッドが返りにくい大型ヘッドが主流になっているためだ。現代のドライバーの形状は、根本的につかまりにくい特性をもっているため、それを補うためにつかまりやすさを強調したモデルが増えてきているのだ。
“つかまる”とは、本来は左にいきやすいということだ。それまで右に飛んでいた人は真っ直ぐ飛ぶかもしれないが、もともと左に飛んでいた人は、ひっかけボールしかでなくなる可能性もある。
しかし、投影面積の大きな現代の大型ヘッドが、“つかまる”ということを100%ポジティブな言葉に変えたと言える。左にいきやすいクラブは評価され、右にいきやすいクラブは評価どころか、まさに市場から消えようとしている。