<エプソン・ツアー選手権 事前情報◇1日◇インディアンウェルズ・ゴルフ・リゾート(米カリフォルニア州)◇6457ヤード・パー71>
今週3~6日の4日間の日程で、米国女子下部ツアー(エプソン・ツアー)のシーズン最終戦が行われる。この試合が終わると、来季の米国女子ツアー昇格などがかかるポイントレースも決着。正念場を迎える日本勢の動向をチェックしよう。
その前に、まずはポイントレースの仕組みを簡単に確認しておこう。大まかに言うと1~15位の選手が来季の米国女子ツアー(LPGAツアー)に昇格することができる。そのうち10位(タイ含む)までの選手は、来季のLPGAツアーで『カテゴリー9』に、11~15位(タイ含む)は『カテゴリー15』に入る。カテゴリーが上であればあるほど出場優先順位も高くなるため、出場できる試合数が増えるという仕組みで、カテゴリー15だと“限定的な出場権”という言い方になる。
それ以下の選手も、来季出場権争いに影響が出る。日本で言うところのQTにあたる「Qシリーズ」がこの後行われるが、11~35位の選手は12月5~9日にアラバマ州で開催される最終予選会から出場できる。ここで上位25位までに入れば、継続的なLPGAツアーでのプレーが可能に。ただランキング36位以下だと、まずは最終行きをかけ10月15~18日にフロリダ州で行われる予選会をプレーすることになる。
そのポイントランキングで、現在、日本勢最上位につけているのが18位の馬場咲希だ。昨年の最終予選会の結果により、今年はトップカテゴリーの出場権こそ得ることはできなかったが、下部ツアーを主戦場に米国でプレーしてきた。ここまで17試合に出場し、最高位は2位。トップ10にも4度入っている。
その累計ポイントは808.603pt。現在10位の選手との差は280.272ptで、15位の選手との差は100.328ptとなっている。通常の試合は優勝で得られるポイントが500ptなのに対し、最終戦は650ptになるなど全体的に配点が30%増える。それを照らし合わせると、10位以内に入るためには最低でも299ptが得られる単独3位以上、15位以内には104ptを積み上げられる単独9位以上を目指すことになる。
最終戦には日本勢3人が出場する。馬場以外の選手では、まずランキング39位に大学4年間を米国のオレゴン大で過ごした長野未祈(みのり)がいる。やはり昨年の予選会で今季の出場権を得たが、ツアーに本格参戦できたのが大学ゴルフの活動が終了した今年5月だったため、ここまで10試合の出場にとどまった。それでも3位に2度入るなど健闘を続けている。
現在、最終予選会のボーダーラインになる35位の選手のポイントが540.333ptなのに対し、長野は517ptで、その差は23.333pt。単独37位になると23.4ptを得られるため、ここを突破するのは決して難しいことではない。15位とのポイント差は391.931ptあるため、ここに到達するには416ptを上積みできる単独2位以上が必須になる。
また現在47位に位置する25歳の谷田侑里香は、384.579ptからの大量加点を目指す。高校1年間と大学4年間をやはり米国で過ごし、昨年の2次予選会の結果、今季から下部ツアーに参戦した。ここまで16試合に出場、トップ10には2度入っている。
谷田もまずは35位の突破を目指すことになる。その差は155.754pt。最低でも156ptが入る単独6位以上になることが求められる。15位との差は524.352ptあるため、予選会を経ずにLPGAツアーに昇格するためには優勝が唯一の条件だ。
この3人が、ここまでのランキングにより108人しか出場できない最終戦に出場する。それぞれが、まずは目指すべきラインの突破に向け全力を注いでもらいたい。