<富士通レディース 事前情報◇10日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>
先週の「スタンレーレディス」でツアー初優勝を飾った佐藤心結が2週連続優勝に意欲的だ。2週前の時点ではメルセデスランキング84位とシードが厳しい位置にいたが、初優勝で状況が一変。「優勝しないと『TOTOジャパンクラシック』に出られない」と次なる明確な目標が見えてきた。
最終日の夜も、翌日になっても実感がなかった初優勝だが、今大会の会場に入ってようやく身に染みた。「火曜日にコースに来て、他の選手だったり、キャディさんだったり、メディアの方やJLPGAの皆さんに声を掛けていただいて、『ああ優勝したんだな』と実感するものがありました」。現時点でもメルセデスランキングは56位とランキングによるシードには届いていないが、来季の出場権を心配する必要はない。
「追い込まれた状況で自信もなくしていたんですけど、今週から自信を持ってプレーできそうな感じもありますし、どこか気持ちの余裕もあって、楽しんで今季の残りの試合でいいプレーができそうです」。これまでとは見える景色もすっかり変わった様子だ。
「ゴルフの状態がそんなにいいというと、すごくいいわけではないんですけど」と断りつつも、目標は2週連続優勝。これまでは全く意識していなかったTOTOの出場ラインが見えてきたからだ。出場資格は今大会後のメルセデスランキング上位35人。「計算したら2位の120ポイントでも届かない。TOTOに出るには優勝の200ポイントしかないので、目標は優勝しかないなと思っています」。
初出場からの2週連続優勝となれば、同い年の竹田麗央が今年4月に達成して以来、ツアー史上5人目の快挙。TOTOについても「海外からトッププロの方もいらっしゃいますし、刺激をいただける特別な試合。私も海外を見据えてやっていきたいと思っているので、出たい気持ちはすごくあります」。優勝と出場権獲得の両取りに意欲的だ。
初優勝の直後とあって、流れは間違いなくいい。「自分から流れを止めないように、この流れを維持していきたい。あんまり気負いたくはないんですけど、今週は特に優勝を目指して頑張りたいです」。開幕から4試合連続予選落ちを喫し、他にも5試合連続予選落ちがあるなど、苦しいシーズンを過ごしてきた21歳。終盤戦で一気にこれを最高のシーズンに塗り替える。(文・田中宏治)