<富士通レディース 事前情報◇10日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>
プロ1年目の今季、米女子下部のエプソン・ツアーを主戦場とした馬場咲希がプロとして国内ツアーに初出場する。先週、最終戦が行われたエプソン・ツアーの年間ポイントランキング18位で、来季の米女子ツアー出場権獲得となる10位以内には届かなかったが、5度のトップ10入りを果たすなど活躍。今週は日本のファンの前で成長した姿を見せる。
単独3位以上が“昇格”の条件だった先週の「エプソン・ツアー選手権」は8位タイでフィニッシュ。優勝争いを演じた後、今週火曜日の夕方に帰国したばかりの馬場は「疲れは正直あります」。明るい表情とは裏腹にゴルフの状態についても「う~んって感じです」と首を傾げた。
単身で米国を転戦し「昨年まではいつも父がいて、周りに多くの方がいたので、サポートがどれだけ力になっていたか、改めて感謝の気持ちが芽生えました」。父・哲也さんはシーズン終盤になるにつれ、電話がかかってくる回数が増えたことを明かしつつも「すごいな。よく頑張ったなと思う」と娘の成長を喜んでいる様子だった。
12月には昨年に続いて最終予選会(Qスクール)に挑戦。改めて来季の米女子ツアーの出場権獲得を目指す。課題に挙げたのは精神面。「技術的なこともいろいろあるんですけど、もっと気持ちを強く持ってできればと思います。周りの選手はもっと強気のオーラがにじみ出ているのを感じました」。今年のQスクールには昨年とは違う強い決意を持って臨むことになりそうだ。
アマチュア時代は試合が続くと体重が落ち、飛距離も落ちる傾向があったが、今季は体重も飛距離もキープ。「アメリカの食事は好きなものが多い。週6でステーキを食べたりしていました」。9オンス(約255グラム)程度のステーキを注文するというから、なかなかの食べっぷり。肉食効果なのか、昨年までに比べて、たくましさを増したようにも映る。
今大会は2年ぶりの出場。2022年は49位タイでベストアマに輝いた。警戒するホールを聞かれると「18番のバンカーとか。2年前(の最終日)はグリーン左のバンカーからダブルボギーだったので、入れたくないです」と苦笑いだった。
Qスクールまでに出場が決まっている試合は今大会だけ。「エプソン・ツアーではあまりギャラリーさんがいなかったので」。今年唯一となる日本の大ギャラリーの中でもプレーを楽しむつもりだ。(文・田中宏治)