第7回/飛ばしの法則、【重いインパクトの真実】
元日本プロゴルフ協会A級ティーチングプロ、現在アメリカの日本食レストランチェーンCEO。異色の経歴を持つTOSHI HIRATAが30年のレッスン経験の集大成を語る。超DEEPな骨太スイング論をアメリカからお届け!
配信日時: 2017年3月8日 02時27分
飛ばすなら、腰は高速で切れるだけ切る!
【飛ばすなら、腰は高速で切れるだけ切る!】
これまでもレッスンしてきたように、飛距離アップのために、これは最も大切なポイントだといっても過言ではありません。スイングそのものは回旋運動(円運動)ですが、"カカトを軸"とした大腿筋(ハムストリングス)を使ってジャンプすれば、下半身の上方ベクトル(ジャンプ)と上半身の下方ベクトル(頭をボールに近づける)がぶつかり合い、行き場をなくした腰は高速で切れ、回旋スピードが速くなるのです。
また、腕は自然に遅れ、ラグ(タメ=レートヒット)が増大します。インパクトでは右ヒジが曲がり、それに伴い上体(頭)は最大限に下り、【重いインパクト】になるわけです。残念ながら現在の日本のツアープロではこの動きを見ることが少ないのが現状です。さて、これまで何度も登場してきたフレーズ【重いインパクト】の真実に迫らなければここからの話が進みません。それには、私の実体験を交えて語ることとしましょう。
1995年、私は初めて渡米をし、ミニツアー(Tommy Armour Tour)に参加しました。ミニツアーといえどもそのレベルは凄まじく高く、優勝するためには10〜15アンダーを想定しなければなりません。参加する以上は優勝を目指すわけですが、かつて体験したことがないような数字がスコアボードに並ぶのを目にした衝撃は今でも忘れることができません。(初めて優勝できたのは1年半後でした……)
しかしそれ以上に驚いたのは、アメリカ人たちのスイングと球質でした。
彼らのボールの球質は、当時の日本人選手が打つ「弾き球」とは違った、重い回転のボールで飛んでいるように見えました。今でいうところのスマッシュファクター値(ボール初速÷ヘッドスピード)が高いボールです。
これまでもレッスンしてきたように、飛距離アップのために、これは最も大切なポイントだといっても過言ではありません。スイングそのものは回旋運動(円運動)ですが、"カカトを軸"とした大腿筋(ハムストリングス)を使ってジャンプすれば、下半身の上方ベクトル(ジャンプ)と上半身の下方ベクトル(頭をボールに近づける)がぶつかり合い、行き場をなくした腰は高速で切れ、回旋スピードが速くなるのです。
また、腕は自然に遅れ、ラグ(タメ=レートヒット)が増大します。インパクトでは右ヒジが曲がり、それに伴い上体(頭)は最大限に下り、【重いインパクト】になるわけです。残念ながら現在の日本のツアープロではこの動きを見ることが少ないのが現状です。さて、これまで何度も登場してきたフレーズ【重いインパクト】の真実に迫らなければここからの話が進みません。それには、私の実体験を交えて語ることとしましょう。
1995年、私は初めて渡米をし、ミニツアー(Tommy Armour Tour)に参加しました。ミニツアーといえどもそのレベルは凄まじく高く、優勝するためには10〜15アンダーを想定しなければなりません。参加する以上は優勝を目指すわけですが、かつて体験したことがないような数字がスコアボードに並ぶのを目にした衝撃は今でも忘れることができません。(初めて優勝できたのは1年半後でした……)
しかしそれ以上に驚いたのは、アメリカ人たちのスイングと球質でした。
彼らのボールの球質は、当時の日本人選手が打つ「弾き球」とは違った、重い回転のボールで飛んでいるように見えました。今でいうところのスマッシュファクター値(ボール初速÷ヘッドスピード)が高いボールです。
重いインパクトのアメリカ人はロングアイアンが別次元!
当時の日本人選手はロフトの少ないヘッドとハードなシャフトを使い、煽るような打ち方が主流でした。ドライバーの飛距離は引けを取らなかったが、ロングアイアンでは1クラブ、時には2クラブくらい番手が違う。これではロングアイアンでピンをダイレクトに狙って、しかも真上から落としてくるアメリカ人とはとても同じ土俵では戦えない。(当時ゴルフチャンネルの放送でインタビューした宮本勝昌プロも全く同じ悩みを抱えていました)
「なぜこのようなことが起こるのだろう?」
「なぜこれほどアメリカ人と日本人の間に打法の差が生まれてしまったのだろう?」
選手として戦う以上、当然生まれてきた疑問であり、解消しなければいけない課題だったのです。そして、自分なりに考察した結果、「芝質」「距離のあるコース」そして「練習場の環境の違い」(芝の上から打てる)から来るインパクトの質の問題だと結論付けました。
フロリダの水分を多く含んだ柔らかい洋芝(バミューダー芝)では、葉先がしっかりとした日本の高麗芝とは違い、たとえそれがフェアウェイであってもボールは沈みます。ボールが浮いたような状態になる日本の芝や、練習場の人工マットではたとえロングアイアンであってもクリーンヒットは容易いものです。
しかし、洋芝で沈んだボールをコンタクトするには、その手前の芝の抵抗を無視できない。鋭角的な軌道のショートアイアンでは影響は少ないが、U角でクラブヘッドが降りてくるロングアイアンでは芝の抵抗は最大限になってしまう。これを抵抗に負けずに打ち出すためには【重いインパクト】が必要不可欠だと感じました。ジュニア時代から洋芝で練習してきた欧米の選手たちは、自然と自身が持つ感性で重いインパクトを獲得しているのです。
もう一つのエピソードとしては、私が「初めて芝生の上から練習できる!」と喜び勇んで練習を始めたものの、疲労からたった300球でギブアップしたこと。練習場所属のプロでいた頃は、時間が取れる時は1日1000球のショット練習を目安に練習してきたというのに……。今まで経験したことのないヒジ痛や手首の痛みに見舞われたのもこの時で、とにかくすべてが初めてづくしで打ちのめされたことを昨日のように思い出します。いかに洋芝の抵抗が強いか、私のインパクトが弱いか、考えさせられました。
「なぜこのようなことが起こるのだろう?」
「なぜこれほどアメリカ人と日本人の間に打法の差が生まれてしまったのだろう?」
選手として戦う以上、当然生まれてきた疑問であり、解消しなければいけない課題だったのです。そして、自分なりに考察した結果、「芝質」「距離のあるコース」そして「練習場の環境の違い」(芝の上から打てる)から来るインパクトの質の問題だと結論付けました。
フロリダの水分を多く含んだ柔らかい洋芝(バミューダー芝)では、葉先がしっかりとした日本の高麗芝とは違い、たとえそれがフェアウェイであってもボールは沈みます。ボールが浮いたような状態になる日本の芝や、練習場の人工マットではたとえロングアイアンであってもクリーンヒットは容易いものです。
しかし、洋芝で沈んだボールをコンタクトするには、その手前の芝の抵抗を無視できない。鋭角的な軌道のショートアイアンでは影響は少ないが、U角でクラブヘッドが降りてくるロングアイアンでは芝の抵抗は最大限になってしまう。これを抵抗に負けずに打ち出すためには【重いインパクト】が必要不可欠だと感じました。ジュニア時代から洋芝で練習してきた欧米の選手たちは、自然と自身が持つ感性で重いインパクトを獲得しているのです。
もう一つのエピソードとしては、私が「初めて芝生の上から練習できる!」と喜び勇んで練習を始めたものの、疲労からたった300球でギブアップしたこと。練習場所属のプロでいた頃は、時間が取れる時は1日1000球のショット練習を目安に練習してきたというのに……。今まで経験したことのないヒジ痛や手首の痛みに見舞われたのもこの時で、とにかくすべてが初めてづくしで打ちのめされたことを昨日のように思い出します。いかに洋芝の抵抗が強いか、私のインパクトが弱いか、考えさせられました。
重いインパクトを身につけるには2つの条件が必要
それでは【重いインパクト】とはどういうことなのでしょうか?
あまり例えは良くないのですが、時速40kmで走っている乗用車が同じクラスの乗用車に後ろから激突したとしましょう。追突された乗用車は前方に弾き飛ばされますが、激突した乗用車も衝撃で止まるでしょう。次に大型トラックが同じスピードで追突すればどうなるでしょうか。追突された乗用車は、より大きな衝撃を受けて前方に弾き飛ばされます。しかし大型トラックはほとんどエナジーを失うことなく前方に動き続けます。
これが【重いインパクト】の正体です。つまり、同じヘッドスピードを持っていても、打ち方やドライバーの性能いかんで「ボールスピード」や「スマッシュファクター」は簡単に変わってしまうということです。
"カカト軸ジャンプ"によって【重いインパクト】を身につけることが出来たなら、あなたのゴルフライフは激変します。もちろん、基本スイングが出来上がっているジュニアプレーヤーやツアープロにおいてはその即効性は類を見ません。ただし……一般のアマチュアプレーヤーには「高い条件」があります。それは
・カーリングが出来ているか?(ヒンジングとセッティング)
・肩甲骨に緩みのないバックスイングが出来ているか?
皆さんにとって初めて目にするフレーズかもしれません。しかし、この重要な2点が出来ていなければ、"カカト軸ジャンプ"によって引き起こされる異次元の飛距離を体験することはできないのです。そして、あなたにとってそれは長い旅の始まりかもしれません。究極のレッスンのテーマは「遥かなる道を目指したい…そんなあなたのために!」ですから、選択肢はあなたにあります。
従来通りの「日本式打法」を貫くか?
究極の「アメリカン打法」の道を歩むのか?
それは……「It's up to you!」(あなたにお任せします)
あまり例えは良くないのですが、時速40kmで走っている乗用車が同じクラスの乗用車に後ろから激突したとしましょう。追突された乗用車は前方に弾き飛ばされますが、激突した乗用車も衝撃で止まるでしょう。次に大型トラックが同じスピードで追突すればどうなるでしょうか。追突された乗用車は、より大きな衝撃を受けて前方に弾き飛ばされます。しかし大型トラックはほとんどエナジーを失うことなく前方に動き続けます。
これが【重いインパクト】の正体です。つまり、同じヘッドスピードを持っていても、打ち方やドライバーの性能いかんで「ボールスピード」や「スマッシュファクター」は簡単に変わってしまうということです。
"カカト軸ジャンプ"によって【重いインパクト】を身につけることが出来たなら、あなたのゴルフライフは激変します。もちろん、基本スイングが出来上がっているジュニアプレーヤーやツアープロにおいてはその即効性は類を見ません。ただし……一般のアマチュアプレーヤーには「高い条件」があります。それは
・カーリングが出来ているか?(ヒンジングとセッティング)
・肩甲骨に緩みのないバックスイングが出来ているか?
皆さんにとって初めて目にするフレーズかもしれません。しかし、この重要な2点が出来ていなければ、"カカト軸ジャンプ"によって引き起こされる異次元の飛距離を体験することはできないのです。そして、あなたにとってそれは長い旅の始まりかもしれません。究極のレッスンのテーマは「遥かなる道を目指したい…そんなあなたのために!」ですから、選択肢はあなたにあります。
従来通りの「日本式打法」を貫くか?
究極の「アメリカン打法」の道を歩むのか?
それは……「It's up to you!」(あなたにお任せします)
TOSHI HIRATA/26歳からゴルフを始め、29歳でプロ入会。日本プロゴルフ協会A級ティーチングプロとして日本で活動していたが、ツアープロの道を模索、武者修行のため渡米したまま移住。現在はアメリカの日本食レストランチェーン『Seasons Of Japan』のCEOを務める。過去には米国ゴルフチャンネルの解説者の経験や、様々な発信をWEBで行っている。ジョージア州在住