ゴルフレッスンは誰の、何のためなのか? | 体も頭も学ぶが勝ち! 高野コーチの未来のゴルフ考 ―米国最先端理論からの誘い―

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ゴルフレッスンは誰の、何のためなのか?

ゴルフスイングの動作解析&運動学習指導を得意とする、身体とゴルフの専門家・高野氏。米国でアスレティックトレーナーの資格を持ちながら、ゴルフスイングを身体とクラブの“運動”を掘り下げて研究、指導するスイング改善のスペシャリストだ。そんな高野の持つ知識は、ゴルフに本気な人には役立つこと間違い無し!

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2017年06月20日

ゴルフレッスン現場の“裏事情”

 
教える側と教わる側。本当にハッピーな関係性とは何なのか(写真・GettyImages)
私がゴルフ業界で働き始めた頃、あるレッスンプロにこんなことを言われました。「ゴルフのスイングが変わる人なんて正直なところほとんどいないんですよ。私の周りでもパッとスイングをみて、昔と変わったなあ、なんて人はまあいないですから」と。

その方はとても優しく接してくれるプロでしたので、そこまで強い反感を覚えたわけではないですが、それでも「高いお金を頂いてスイングを指導しているプロが何を言ってるんですか」と思ったことは鮮明に記憶しています。

はっきり言って、もの凄く力みが強い方以外は、スイングを変えること自体、それほど難しいことではないですが(その先の再現性やコースでの運用などの話は別として)、色々周りのプロの方々と話をしたり、スイングについて研究をしていると、前述のプロの半ば諦めとも取れる発言を全く理解できない訳ではありません。

まず、スイングを生半可な形で変えようとすると、勘の良いゴルファーでない限り、上手く打てなくなる場合がよくあります。多くのスクールに来られるゴルファーは、自己流で上手くなる自信がなかったり、スポーツに自信のある方ではない場合が多いので、下手にスイングを変えようとすると、ビジネス的にも都合が悪くなるのです。

特にインドアスクールより外の練習場でのレッスンでは、ある程度ナイスショットを維持しつつ、指導しなければならないので、今いるステージから抜け出すような新しい運動イメージを入れることは生徒さんが今後レッスンを継続してくれるかどうかにも影響があります。

スイング”運動”を掘り下げた方がいい!

形の指導で本当に本質改善になるのか? 運動の本質を変える必要がある
スイング理論がメディアなどで語られる時、スイングプレーン、フェース面の動き、前傾姿勢の維持、頭の位置の安定、身体の開き、身体の回転、体重移動などはよく取り上げられるファクターです。

運動感覚がいい人はプロゴルファーの動きと比べてここが違うから改善していきましょう、いい動きはこうなんだよ、と部分的に切り取った形を指導するだけでスイングが良くなる方もいるでしょう。

しかし、そんなゴルファーは大概、上級者以上のレベルで、指導者の教えを受けなくても勝手に上手くなってすぐにシングルプレーヤーになってしまうような人達です。いくら練習してもゴルフが上手くならない、コックが早く解けてしまう、球筋が安定しない、前傾姿勢が維持できない、腕・身体が固まってしまう、といったゴルファーは、”形の指導”では埒が明きません。

どうしてその動きになってしまうのか、なぜこの動きにならないのか、というように”スイング運動”自体を掘り下げていく必要があります。そのようなお話はまた別の記事でお話をしたいと思っていますが、指導する側はとにかくスイング運動を成立させているファクターの意味を根本から理解することが大切です。

スイング改善には“覚悟”が必要かもしれません

例えるなら、プロ野球のピッチャー。プログラム化された運動フォームを変えるには、多大なる痛みを伴うこともある
ナイスショットを打つ人でも、よく言われることですが、マイナス要素としての癖や非効率な動きを、別のマイナスの要素を入れることで相殺している場合がよくあります。これは一つの癖を直そうすればいくつも癖を直さないといけない、そして、その改善していくプロセスの順序や的確性を誤れば、全く打てなくなる人がいたり、路頭に迷わせることを意味しています。

向上心の強いハンデ10くらいのゴルファーが、自分のスイングの不満なところを根本的に変えようとして、色々スイングを調整したところ、90を切れなくなった、なんてことは珍しくありません。そのプロセスを楽しんでいる方ならまだしも、焦るばかりでゴルフを楽しめなくなってしまったのなら、それはそれは辛いことでしょう。

プロスポーツ選手に対して指導するときの大原則として、どんなに癖が強い、もしくは明らかに非効率な動きをしているスポーツ選手がいても、一流選手で結果を残している場合は、根本のフォームに介入をしない、といったことがあります。

例外としては、どん底のスランプに陥ってしまったケース、怪我をしていた部位の負担を減らしたいケース、くらいでしょうか。また、フォームを”過去のものに戻す”フォーム改善はまだリスクの部分でも許容度が高いことが考えられます。

プロ野球のピッチャーのフォームなどは分かりやすいかもしれません。これは冒頭でお話ししたレッスンプロの方のお話しにも通ずることかもしれませんが、それだけ脳の中でプログラム化された運動のパターンに介入するためには覚悟が必要なのです。

「多少痛みをともなっても、スイングを改善をしたい。そして自分のスイングに本気で向き合う」

一度癖が固まってボールに合わせるようなスイングになってしまったゴルファーは、このくらいの覚悟が必要なのかもしれません。私のもと来られるゴルファーは幸い、こういった覚悟のあるゴルファーの方が多いので、スイング改善指導をやりやすい環境でお仕事をさせて頂いております。

運動専門家でも私はアマチュア。だからアマチュアの味方

身体の専門家である高野は、アマチュア心理も熟知。レッスンプロとは全く違ったアプローチで運動の質や結果を改善する
私はゴルフが死ぬほど好きなアマチュアゴルファーです。毎日、毎回練習の度に、スイングに悩んでいます。それは昔、我流でへんてこりんなスイングをどんどん固めてしまった結果でもあり、また初回の記事でもお話ししたように、身体の不調などから感覚入力などが欠如しているところもあり、再現性を出すようにある程度仕上げておいてからでないと、コースで良いスコアでは回れないのが現状です。

なのでゴルフ上達に悩むアマチュアの方の気持ちは痛いほど分かっているつもりです。そのような経験から、とにかく私のようにゴルフに悩んでいる方の手助けをしたい、というのが私の今のキャリアにおける最大のモチベーションです。

アマチュア目線で、また身体の専門家としてスイング運動を指導する、それが私のスタイルです。たまにスイングをデモするときにはあまり上手くいかないこともあります。それでも信頼関係を崩さないくらいの知識と指導力と情熱があれば、問題ないと思っています。

ジュニアからゴルフをやっている上級者やプロの方々、始めてすぐにシングルになった方などは、どのような感覚でゴルファーが悩んでいるのかを中々想像しにくいところがあるでしょう。その点、私はアマチュアの目線で指導できますので、指導する側になってから、色んな勉強をしながら、考えながらゴルフが上達してきて今があるので、ある意味では良かったなあと思っています。早くスクラッチゴルファーになりたいともちろん思っていますが。

私は技術指導のレッスンに加えて、ゴルファーのクラブの使い方から身体の使い方、運動にまつわる様々なプレゼン、コンディショニングなどをしながら現場でセッションを行っています。プロから初心者、シニアからジュニアの子達まで、あらゆるレベル、世代のゴルファーです。ゴルフに対する情熱が高い方々を指導しているときが一番仕事にやりがいを感じます。そして私のようにどうしようもなくゴルフが好きな方の上達の手助けをするのが私のミッションです。
【高野裕正/たかの・ひろまさ】
パーソナルトレーナー、パーソナルゴルフコーチ。奈良県出身。高校卒業後に渡米し、運動学の学士、修士号を取得し、米国国家資格であるNATA公認アスレチックトレーナーとなる。9年のアメリカ留学、就労を経て、日本に帰国後はTPI(Titleist Performance Institute)のメディカル、フィットネス、バイオメカニクスプロフェッショナルとして、メディカル/フィットネストレーナー、そしてスイングコーチとして、ゴルファーを身体や怪我、技術面から総合的にサポートしている。現在は都内で運動指導、スイング指導、ワークショップなどの啓蒙活動を行う。身体の専門家として、アマチュア目線でスイングを様々な側面から掘り下げる「スイング運動学」の話を中心にお届けする
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