身体の専門家が語る、ゴルフスイング動作の運動の本質を語る連載がスタート
ゴルフスイングの動作解析&運動学習指導を得意とする、身体とゴルフの専門家・高野氏。米国でアスレティックトレーナーの資格を持ちながら、ゴルフスイングを身体とクラブの“運動”を掘り下げて研究、指導するスイング改善のスペシャリストだ。そんな高野の持つ知識は、ゴルフに本気な人には役立つこと間違い無し!
配信日時: 2017年6月12日 00時21分
目次 / index
はじめまして。トレーナーの高野です
はじめまして。高野裕正と申します。私は現在都心を中心にゴルフを専門とするパーソナルトレーナー・ゴルフスイングコーチとして、運動指導や徒手療法、ゴルファーのスイング指導などを行っております。初回の記事ですので、今回は私の経歴とゴルフ業界で働くことになった経緯をお話しさせて頂きます。
ヒトの身体・運動を指導する業界で働こうと思った理由
ヒトの身体や運動に関わるこの業界に入ったきっかけは、学生の時にずっとやっていたサッカーを通じて、腰痛やその他身体の調子に色々悩んだことです。例えば、第2次成長期にほとんど短距離走が速くなっていないとか、サッカーをしていてある一定のインテンシティ(プレスなどをかけるプレーの強度)になると、急激に酸素を取り込む量が上がって過呼吸気味になり、脚が棒のようになって痺れるような症状がでてくるとか。
大学時代に整形の先生、トレーナーの教授や運動生理学の先生に診てもらったりもしたのですが、なかなか原因は分からずじまいでした。だけど自分で色々勉強しているうちに、少しずつその原因が分かってきているこの頃です。この学生時代、特に高校生の時にサッカーを通して身体について悩んだ経験から、スポーツ医学や運動学などを勉強したいと思い、アメリカの準医療資格にあたる、ATC(アスレチックトレーナー)という国家資格を取ろうと渡米しました。
米国では大学、大学院生時代、その後のクリニックでの仕事を通じて、サッカーやアメフトを中心に色んなスポーツをサポートしてきました。今では日本でゴルフ業界を中心に活動をしていますが、スポーツ王国アメリカで色んなスポーツに関われたことは大変貴重な経験でした。
大学時代に整形の先生、トレーナーの教授や運動生理学の先生に診てもらったりもしたのですが、なかなか原因は分からずじまいでした。だけど自分で色々勉強しているうちに、少しずつその原因が分かってきているこの頃です。この学生時代、特に高校生の時にサッカーを通して身体について悩んだ経験から、スポーツ医学や運動学などを勉強したいと思い、アメリカの準医療資格にあたる、ATC(アスレチックトレーナー)という国家資格を取ろうと渡米しました。
米国では大学、大学院生時代、その後のクリニックでの仕事を通じて、サッカーやアメフトを中心に色んなスポーツをサポートしてきました。今では日本でゴルフ業界を中心に活動をしていますが、スポーツ王国アメリカで色んなスポーツに関われたことは大変貴重な経験でした。
【ゴルフとの出会い】
アメリカで学生を初めて間もなく、ルームメイトがゴルフショップで働き始めたことをきっかけに、それまで全く興味のなかったゴルフを始めました。ゴルキチな親父が、練習場に何度か連れて行ってくれたことはあったのですが、全く上手くいかず興味も湧きませんでした。しかし同世代の友人と一緒に始めたことが大きかったのか、とにかく負けたくないという一心で、たくさん練習をする中で、次第にゴルフに没頭する毎日に。
フルタイムの学生でトレーナーのインターンでも忙しい生活でしたが、暇を見つけては練習やラウンドをしていました。向こうでは上手く探せば20ドルくらいでラウンドができる環境でしたし、サマータイムの期間だと夜の9時前まで日が沈まないので、学校の帰りに練習してハーフを回って、なんて感じで忙しい時間の間を縫ってはゴルフをしていました。
ゴルフショップでプロの方にちょこちょこ教わってどんどん上手くなっていく友人に負けまいと、ゴルフを始めて半年くらいで90を切れるようになったものの、そこから伸び悩みました。動画で撮ると本当に酷いスイングで、今考えてもこれじゃあ80を切るのはなかなか難しいなあという感じでした。その半年を過ぎてから、たくさん練習もラウンドもしたにも関わらず、少し上手くなったくらいで、結局80を切れずに約9年のアメリカ生活を終え、帰国しました。
フルタイムの学生でトレーナーのインターンでも忙しい生活でしたが、暇を見つけては練習やラウンドをしていました。向こうでは上手く探せば20ドルくらいでラウンドができる環境でしたし、サマータイムの期間だと夜の9時前まで日が沈まないので、学校の帰りに練習してハーフを回って、なんて感じで忙しい時間の間を縫ってはゴルフをしていました。
ゴルフショップでプロの方にちょこちょこ教わってどんどん上手くなっていく友人に負けまいと、ゴルフを始めて半年くらいで90を切れるようになったものの、そこから伸び悩みました。動画で撮ると本当に酷いスイングで、今考えてもこれじゃあ80を切るのはなかなか難しいなあという感じでした。その半年を過ぎてから、たくさん練習もラウンドもしたにも関わらず、少し上手くなったくらいで、結局80を切れずに約9年のアメリカ生活を終え、帰国しました。
【死ぬほど大好きなゴルフを仕事に】
アメリカでの生活も終盤に差し掛かり、日本に帰国してスポーツに関わる仕事をしたいと思った時に、やはり大好きなゴルフの業界で仕事がしたいと思うようになりました。そこからアメリカで流行り始めていたTPI(Titleist Performance Institute)のコースなども幾つか受講しながら日本での仕事の準備をして帰国しました。
帰国した当時は東日本大震災などもあり、初年度はバレーボールの企業チームとご縁があったのでそちらでフルタイムで仕事をしていましたが、その後は、地元の関西より東京の方が色んなチャンスもあるだろうと思い、上京して現在の活動にいたります。
帰国した当時は東日本大震災などもあり、初年度はバレーボールの企業チームとご縁があったのでそちらでフルタイムで仕事をしていましたが、その後は、地元の関西より東京の方が色んなチャンスもあるだろうと思い、上京して現在の活動にいたります。
【幸運にも出会った素晴らしい先輩方】
東京にきてからは最初トータルゴルフフィットネスという、ゴルファーのトレーニング、レッスン、コンディショニング、施述、と全てを満たしてくれるフィットネスクラブで働き始めました。そして間もなく、僕がTPIのトレーニングプログラムを紹介するセミナーを開催した際に、森守洋プロと出会いました。
この出会いは僕のゴルフ業界でのキャリアを語る上で、大き過ぎるご縁でした。それから、勉強会や森プロのスタジオでゴルフのイロハを学ばせて頂いたのですが、その森プロのゴルフの話が奥深くて、とにかくもう彼のゴルフ漫談(ゴルフのマニアックな話をいつも面白おかしく話してくれます)に聞き入ってました。
ただ自分がプレーするのが楽しいだけだった時期から、ゴルフの奥深さ、スイング作りの難しさ、コースでのプレーの難しさ、ゴルフクラブと身体の話、などを本気で勉強し始めた転換期でした。そして次第に森プロと一緒に勉強会をするようになった先輩仲間の常盤仁トレーナーと三觜嘉一プロからも、それはそれはたくさん学ばせて頂きました。
先輩方は皆、常にゴルフの事で頭が一杯な、現場主義な人達です。現場でどうやったら結果を出せるか、ゴルファーがより良くプレーできるかを日々探求されています。他業種、他のスポーツなどからでも、どんなことでもゴルフに使えるアイデアはないか、といった具合に常にアンテナを張っている、プロフェッショナルな方々です。
もちろん、その他にも色んな方々から影響を受け、学ばせてもらって今の自分があります。その出会いがなければ、今こうやってアルバさんで記事を連載させて頂く機会もなかったことでしょう。何度自分のゴルフのキャリアを振り返っても、感謝の言葉しかありません。
この出会いは僕のゴルフ業界でのキャリアを語る上で、大き過ぎるご縁でした。それから、勉強会や森プロのスタジオでゴルフのイロハを学ばせて頂いたのですが、その森プロのゴルフの話が奥深くて、とにかくもう彼のゴルフ漫談(ゴルフのマニアックな話をいつも面白おかしく話してくれます)に聞き入ってました。
ただ自分がプレーするのが楽しいだけだった時期から、ゴルフの奥深さ、スイング作りの難しさ、コースでのプレーの難しさ、ゴルフクラブと身体の話、などを本気で勉強し始めた転換期でした。そして次第に森プロと一緒に勉強会をするようになった先輩仲間の常盤仁トレーナーと三觜嘉一プロからも、それはそれはたくさん学ばせて頂きました。
先輩方は皆、常にゴルフの事で頭が一杯な、現場主義な人達です。現場でどうやったら結果を出せるか、ゴルファーがより良くプレーできるかを日々探求されています。他業種、他のスポーツなどからでも、どんなことでもゴルフに使えるアイデアはないか、といった具合に常にアンテナを張っている、プロフェッショナルな方々です。
もちろん、その他にも色んな方々から影響を受け、学ばせてもらって今の自分があります。その出会いがなければ、今こうやってアルバさんで記事を連載させて頂く機会もなかったことでしょう。何度自分のゴルフのキャリアを振り返っても、感謝の言葉しかありません。
【スイングをクラブと身体の運動目線で掘り下げるのが私の仕事】
ゴルフスイングの指導の現場では、プロゴルファーがその人の感覚を伝えることが多かった時代を経て、スイングデータ解析をして、2D分析、弾道、インパクト、そして3Dでの身体の動きなどを可視化できる時代を迎えました。
私が関わるゴルファーの方には、エンジョイゴルファーでもスマホアプリで自らスイングを解析したり、中には高額な解析システムを自ら購入してしまうようなマニアックな方もおられます。しかしこれら分析する手段が増えて、”何が起こっているのか”が分かったとしても、”ではどの方向にどのような軸で、どのようなステップを踏んで上達に向かえばいいのか”といった道筋を立てたり、”どのようにしてそれらスイングの弱点を改善していけばいいのか”という運動学習的アプローチというのは全く別物です。
そして、それらを高いレベルで行うには、ゴルフクラブの運動とスイングを遂行する身体の運動の成り立ちと現象を、幅広く理解しておく必要があります。今後、こちらの連載記事ではゴルフスイングの運動としての側面を特に身体の部分から色々と掘り下げていければと思っております。
身体の専門家として、ゴルフスイングを指導する人が業界には殆どいない現状ですので、何か新しい視点やアイデアなどを提供し、ゴルファーの皆様のゴルフ談義の肥やしに、また願わくば、スイング上達に、私のお話が少しでもお役に立てれば、この上なく幸せです。
私が関わるゴルファーの方には、エンジョイゴルファーでもスマホアプリで自らスイングを解析したり、中には高額な解析システムを自ら購入してしまうようなマニアックな方もおられます。しかしこれら分析する手段が増えて、”何が起こっているのか”が分かったとしても、”ではどの方向にどのような軸で、どのようなステップを踏んで上達に向かえばいいのか”といった道筋を立てたり、”どのようにしてそれらスイングの弱点を改善していけばいいのか”という運動学習的アプローチというのは全く別物です。
そして、それらを高いレベルで行うには、ゴルフクラブの運動とスイングを遂行する身体の運動の成り立ちと現象を、幅広く理解しておく必要があります。今後、こちらの連載記事ではゴルフスイングの運動としての側面を特に身体の部分から色々と掘り下げていければと思っております。
身体の専門家として、ゴルフスイングを指導する人が業界には殆どいない現状ですので、何か新しい視点やアイデアなどを提供し、ゴルファーの皆様のゴルフ談義の肥やしに、また願わくば、スイング上達に、私のお話が少しでもお役に立てれば、この上なく幸せです。
【高野裕正/たかの・ひろまさ】
パーソナルトレーナー、パーソナルゴルフコーチ。奈良県出身。高校卒業後に渡米し、運動学の学士、修士号を取得し、米国国家資格であるNATA公認アスレチックトレーナーとなる。9年のアメリカ留学、就労を経て、日本に帰国後はTPI(Titleist Performance Institute)のメディカル、フィットネス、バイオメカニクスプロフェッショナルとして、メディカル/フィットネストレーナー、そしてスイングコーチとして、ゴルファーを身体や怪我、技術面から総合的にサポートしている。現在は都内で運動指導、スイング指導、ワークショップなどの啓蒙活動を行う。身体の専門家として、アマチュア目線でスイングを様々な側面から掘り下げる「スイング運動学」の話を中心にお届けする
パーソナルトレーナー、パーソナルゴルフコーチ。奈良県出身。高校卒業後に渡米し、運動学の学士、修士号を取得し、米国国家資格であるNATA公認アスレチックトレーナーとなる。9年のアメリカ留学、就労を経て、日本に帰国後はTPI(Titleist Performance Institute)のメディカル、フィットネス、バイオメカニクスプロフェッショナルとして、メディカル/フィットネストレーナー、そしてスイングコーチとして、ゴルファーを身体や怪我、技術面から総合的にサポートしている。現在は都内で運動指導、スイング指導、ワークショップなどの啓蒙活動を行う。身体の専門家として、アマチュア目線でスイングを様々な側面から掘り下げる「スイング運動学」の話を中心にお届けする