+3で首位に並ぶ米国人。バーガー&フィナウ、ケプカ&DJ。勝つのは誰!?
+3で首位に並ぶ米国人。バーガー&フィナウ、ケプカ&DJ。勝つのは誰!?
配信日時: 2018年6月17日 10時11分
<全米オープン 3日目◇16日◇シネコックヒルズGC(7,440ヤード・パー70)>
午後スタート組には悪夢となった。強風が再び選手を襲い、4アンダーでスタートしたDJが+3まで転がり落ち、首位タイ4人の大混戦に。午前スタートでこの日4アンダーと伸ばしたのは、ダニエル・バーガーとトニー・フィナウ。微風の間にスコアを伸ばし、ビッグチャンスを手にした。
■米国2勝の25歳、バーガーはパットで有利!?■
バーガーはこの日のパッティングが「1.39」と全体の1位(全選手平均は1.76)と、ポアナ芝で不均一に跳ねるグリーンを見事攻略に成功。平均290ヤードとさして飛ぶ方ではなく、パーオン率も並だが、ピンに付いた少ないチャンスを確実にモノにした。
バーガーの使用パターは『VERSA 2-Ball』プロトタイプだが、2ボールとはいいつつ、赤パターには黒いボール一つしかない特注品だ。オデッセイは、このバーガープロトタイプを直近で『O-WORKSツアー』に『R-BALL』として1つ目小僧+3本ラインのアライメントのバーガー流を市販採用。
首位で並ぶ4人のうち、バーガー以外の3人は豪打を誇るプロばかり。だが、全選手が苦しむポアナのグリーンに最もパッティングが合っている(全体6位)のはバーガーだ。最終日同組のフィナウのプレーに影響されるとは考えづらく、粘りのゴルフが花を咲かせるか。
■ただの飛ばし屋ではない、クレバーなフィナウ■
ツアー2位の飛ばし屋であるフィナウは、強振せずに安全運転。とはいえ、他の選手よりも距離のアドバンテージは遥かに大きい。(平均310.3ヤード、11位)3日目を終えパーオン率4位、この日も冴えたアイアンショットが何度かピンに絡み、手堅く沈めた。
昨季までクラブ契約フリーだったフィナウは、PINGを中心に使用して成績を上げ、今季から晴れてPINGと契約。『G400MAX』とACCRA『TOUR Zx 465 M5シャフトの組み合わせで、安定を重視して奏功している。米ツアーでまだ1勝なものの、昨季から安定度は抜群。特注のピレッティ『Elite』パターもこのグリーンに馴染んでおり「1.67」で18位。ティショット、アイアン、パットと死角は天候のみか。
■ケプカ、不安は左にいく1W。DJとの対決は?■
明日は、朝からチャージを狙うはずだ。連覇のかかるケプカは、世界ランク1位のDJと同組。ツアー屈指の飛ばし屋かつ、相手に隙を見せないポーカーフェースと共通点は多いものの、持ち球はケプカがドロー、DJがフェード。さて、この2人の相性はどうなのか。
3日目までは、パーオン率が1位(DJ4位)、ドライビングディスタンスは2位(DJ8位)、平均パットは26位(DJ23位)と、ケプカが数字上では有利に見える。しかし、肝心のFWキープ率でDJが79%の21位に対してケプカは64%の56位…。
開幕当初は『M4』ドライバーだったが、「プレイヤーズ選手権」から替えた『M3 460』で飛んでいるものの、時折左に曲げるシーンが目立っている。だが、この男には古巣ナイキ時代から使い慣れた3Iがある。『ヴェイパーフライプロ』は、昨年の全米オープン制覇でも活躍したこの男の武器で、ドライバーに頼らずとも正確に球を運べるのだ。
そして、何より不気味なのは、この男が昨年見せた最終日の【アドレナリン】だ。昨年は前半から伸ばしに伸ばし、最終ホールのティショットで2位の松山を大きくリードしていたため、3Wを握った。誰もが「ああ、安全な刻みか」と思ったが、その考えが間違いだと数秒後に気づくことになる。
3Wで放たれたケプカの球が到達したのは、なんと379.3ヤード先のフェアウェイだった。暇さえあれば、フィットネスで体を鍛える“ジムラット”で、それはDJも同じ。いわばトレーニング仲間で、昨年の優勝前日に「耐えれば勝てる」とDJから2分の“長い電話”で励まされたことを勝因の一つに明かしていた。
いよいよ「全米オープン」最終日。寡黙なバケモノ2人が、プレーでどんな“会話”を見せるのか。もちろん、シネコックヒルズGCとの戦いになるのは当然だが、観る方はそこに期待してしまう。死闘の末、どちらが勝っても祝福の笑顔を見せる確率は高そうだ。
午後スタート組には悪夢となった。強風が再び選手を襲い、4アンダーでスタートしたDJが+3まで転がり落ち、首位タイ4人の大混戦に。午前スタートでこの日4アンダーと伸ばしたのは、ダニエル・バーガーとトニー・フィナウ。微風の間にスコアを伸ばし、ビッグチャンスを手にした。
■米国2勝の25歳、バーガーはパットで有利!?■
バーガーはこの日のパッティングが「1.39」と全体の1位(全選手平均は1.76)と、ポアナ芝で不均一に跳ねるグリーンを見事攻略に成功。平均290ヤードとさして飛ぶ方ではなく、パーオン率も並だが、ピンに付いた少ないチャンスを確実にモノにした。
バーガーの使用パターは『VERSA 2-Ball』プロトタイプだが、2ボールとはいいつつ、赤パターには黒いボール一つしかない特注品だ。オデッセイは、このバーガープロトタイプを直近で『O-WORKSツアー』に『R-BALL』として1つ目小僧+3本ラインのアライメントのバーガー流を市販採用。
首位で並ぶ4人のうち、バーガー以外の3人は豪打を誇るプロばかり。だが、全選手が苦しむポアナのグリーンに最もパッティングが合っている(全体6位)のはバーガーだ。最終日同組のフィナウのプレーに影響されるとは考えづらく、粘りのゴルフが花を咲かせるか。
■ただの飛ばし屋ではない、クレバーなフィナウ■
ツアー2位の飛ばし屋であるフィナウは、強振せずに安全運転。とはいえ、他の選手よりも距離のアドバンテージは遥かに大きい。(平均310.3ヤード、11位)3日目を終えパーオン率4位、この日も冴えたアイアンショットが何度かピンに絡み、手堅く沈めた。
昨季までクラブ契約フリーだったフィナウは、PINGを中心に使用して成績を上げ、今季から晴れてPINGと契約。『G400MAX』とACCRA『TOUR Zx 465 M5シャフトの組み合わせで、安定を重視して奏功している。米ツアーでまだ1勝なものの、昨季から安定度は抜群。特注のピレッティ『Elite』パターもこのグリーンに馴染んでおり「1.67」で18位。ティショット、アイアン、パットと死角は天候のみか。
■ケプカ、不安は左にいく1W。DJとの対決は?■
明日は、朝からチャージを狙うはずだ。連覇のかかるケプカは、世界ランク1位のDJと同組。ツアー屈指の飛ばし屋かつ、相手に隙を見せないポーカーフェースと共通点は多いものの、持ち球はケプカがドロー、DJがフェード。さて、この2人の相性はどうなのか。
3日目までは、パーオン率が1位(DJ4位)、ドライビングディスタンスは2位(DJ8位)、平均パットは26位(DJ23位)と、ケプカが数字上では有利に見える。しかし、肝心のFWキープ率でDJが79%の21位に対してケプカは64%の56位…。
開幕当初は『M4』ドライバーだったが、「プレイヤーズ選手権」から替えた『M3 460』で飛んでいるものの、時折左に曲げるシーンが目立っている。だが、この男には古巣ナイキ時代から使い慣れた3Iがある。『ヴェイパーフライプロ』は、昨年の全米オープン制覇でも活躍したこの男の武器で、ドライバーに頼らずとも正確に球を運べるのだ。
そして、何より不気味なのは、この男が昨年見せた最終日の【アドレナリン】だ。昨年は前半から伸ばしに伸ばし、最終ホールのティショットで2位の松山を大きくリードしていたため、3Wを握った。誰もが「ああ、安全な刻みか」と思ったが、その考えが間違いだと数秒後に気づくことになる。
3Wで放たれたケプカの球が到達したのは、なんと379.3ヤード先のフェアウェイだった。暇さえあれば、フィットネスで体を鍛える“ジムラット”で、それはDJも同じ。いわばトレーニング仲間で、昨年の優勝前日に「耐えれば勝てる」とDJから2分の“長い電話”で励まされたことを勝因の一つに明かしていた。
いよいよ「全米オープン」最終日。寡黙なバケモノ2人が、プレーでどんな“会話”を見せるのか。もちろん、シネコックヒルズGCとの戦いになるのは当然だが、観る方はそこに期待してしまう。死闘の末、どちらが勝っても祝福の笑顔を見せる確率は高そうだ。