日米、女子ツアーの飛距離差は? 今週来日のG・ホールは『GBB EPIC』で何ヤード?【記者の目】
日米、女子ツアーの飛距離差は? 今週来日のG・ホールは『GBB EPIC』で何ヤード?【記者の目】
配信日時: 2019年5月9日 07時44分
<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 事前情報◇8日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6560ヤード・パー72>
国内女子ツアーも今週で2019年の10試合目。最初のメジャーを迎えたが、昨季の全英覇者、米女子ツアーのジョージア・ホールも出場。筆者はその飛距離に注目している。というのも、日米のパワーの差が気になるからだ。
■44位のG・ホールでも266.609ヤード…。上位は?
米国女子ツアーは2019年シーズンの11試合を消化しているが、ホールのドライビングディスタンスは266.609ヤード(44位、使用ドライバーはキャロウェイ『GBB EPIC』)。現在の国内女子1位の葭葉ルミが254.24ヤードなため、米国44位の選手が国内1位の飛ばし屋のスタッツを遥かに上回っている。
当然、コースロケーションや地面の硬さ、湿度や気温も違うため、同条件ではない。そこで、ホールが日本人と同条件で、どの程度のスタッツの差が出るのか? 今週は注目したい。ところで、266.609ヤードで44位。では、米国の上位はどれくらいかというと…
1位、アン・バン・ダム、285.85ヤード(7試合)
2位、ジェシカ・コルダ、284.708ヤード(4試合)
3位、エンジェル・イン、284.232ヤード(8試合)
4位、パク・ソンヒョン、282.909ヤード(6試合)
5位、エリザベス・ゾコル、280.0ヤード(7試合)
と、5人が平均280ヤードの大台を越えていた。(昨季1位のヤニ・ツェンは275ヤードで、これまで平均飛距離で280ヤード越えを記録したのは、2016年のJ・クラッテン、2006年のカリン・スヨディンのみ)上位5人の使用クラブは下記だ。
A・V・ダム、ダンロップ『スリクソンZ785』
J・コルダ、キャロウェイ『GBB EPIC Sub Zero』
A・イン、PING『G400LST』
P・ソンヒョン、テーラーメイド『M5』
E・ゾコル、PING『G410 PLUS』
■反発が上がった2019年モデルの影響?でも、国内女子は…
米女子ツアーの平均飛距離は、「2018ディスタンスレポート」でほぼ横ばいだったが、【国内女子を除く】世界のツアー平均では2017年より「1.7ヤード」飛距離が伸びた。各社の2019年モデルの多くは反発がギリギリに高まり、それが年初から使われる2019年こそ、米女子ツアーの平均飛距離が大幅に上がる可能性を感じる。
また、直近の国内男子ツアー「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」の練習日では、R&AによるウッドのCT値検査が行われた。出場者144人中130人がテストを実施し、30人超のウッドにCT値のルール越えが見つかっている。
国内男子ツアーも2017、18年と連続で平均飛距離が伸びたが、はたしてこれはドライバーの反発性能のせいなのか。それとも、弾道計測器や選手のトレーニングの賜物か。はたまた、ボールの性能アップによるものか。道具が理由なら、国内女子も飛距離が伸びるはずだ。
⇒「世界で1.7ヤード伸びた」USGAとR&Aが「2018ディスタンスレポート」を発表\\
R&AとUSGAの「ディスタンスレポート」は、国内女子ツアーは対象外だ。理由は協会が飛距離などのスタッツ計測・公表を始めたのが2017年と遅かったから。2017年93人の平均が「235.8646ヤード」、2018年の95人の平均が「236.0965ヤード」、そして、なぜか2019年のここまで96人の平均が「233.1281ヤード」とダウン。日米ツアー全体の平均飛距離を比べたのが下記で、差がさらに開きつつある。
日 米
2017年、235.865y(93人)252.599y(158人)
2018年、236.096y(95人)252.742y(165人)
2019年、233.128y(96人)262.066y(149人)
国内女子は寒い3月の割合が高いため、現時点での飛距離ダウンは致し方ない。だが、【世界との明確な差】を認識しなければ、今後強化すべき方向も見えないはず。葭葉ルミの254.24ヤードよりスタッツ上で飛ばす選手が現時点で米国では120人いること。そのうち27人が体格の近いアジア人(韓国、タイ、台湾、日本)が含まれる点も見逃せない。
Text/Mikiro Nagaoka
国内女子ツアーも今週で2019年の10試合目。最初のメジャーを迎えたが、昨季の全英覇者、米女子ツアーのジョージア・ホールも出場。筆者はその飛距離に注目している。というのも、日米のパワーの差が気になるからだ。
■44位のG・ホールでも266.609ヤード…。上位は?
米国女子ツアーは2019年シーズンの11試合を消化しているが、ホールのドライビングディスタンスは266.609ヤード(44位、使用ドライバーはキャロウェイ『GBB EPIC』)。現在の国内女子1位の葭葉ルミが254.24ヤードなため、米国44位の選手が国内1位の飛ばし屋のスタッツを遥かに上回っている。
当然、コースロケーションや地面の硬さ、湿度や気温も違うため、同条件ではない。そこで、ホールが日本人と同条件で、どの程度のスタッツの差が出るのか? 今週は注目したい。ところで、266.609ヤードで44位。では、米国の上位はどれくらいかというと…
1位、アン・バン・ダム、285.85ヤード(7試合)
2位、ジェシカ・コルダ、284.708ヤード(4試合)
3位、エンジェル・イン、284.232ヤード(8試合)
4位、パク・ソンヒョン、282.909ヤード(6試合)
5位、エリザベス・ゾコル、280.0ヤード(7試合)
と、5人が平均280ヤードの大台を越えていた。(昨季1位のヤニ・ツェンは275ヤードで、これまで平均飛距離で280ヤード越えを記録したのは、2016年のJ・クラッテン、2006年のカリン・スヨディンのみ)上位5人の使用クラブは下記だ。
A・V・ダム、ダンロップ『スリクソンZ785』
J・コルダ、キャロウェイ『GBB EPIC Sub Zero』
A・イン、PING『G400LST』
P・ソンヒョン、テーラーメイド『M5』
E・ゾコル、PING『G410 PLUS』
■反発が上がった2019年モデルの影響?でも、国内女子は…
米女子ツアーの平均飛距離は、「2018ディスタンスレポート」でほぼ横ばいだったが、【国内女子を除く】世界のツアー平均では2017年より「1.7ヤード」飛距離が伸びた。各社の2019年モデルの多くは反発がギリギリに高まり、それが年初から使われる2019年こそ、米女子ツアーの平均飛距離が大幅に上がる可能性を感じる。
また、直近の国内男子ツアー「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」の練習日では、R&AによるウッドのCT値検査が行われた。出場者144人中130人がテストを実施し、30人超のウッドにCT値のルール越えが見つかっている。
国内男子ツアーも2017、18年と連続で平均飛距離が伸びたが、はたしてこれはドライバーの反発性能のせいなのか。それとも、弾道計測器や選手のトレーニングの賜物か。はたまた、ボールの性能アップによるものか。道具が理由なら、国内女子も飛距離が伸びるはずだ。
⇒「世界で1.7ヤード伸びた」USGAとR&Aが「2018ディスタンスレポート」を発表\\
R&AとUSGAの「ディスタンスレポート」は、国内女子ツアーは対象外だ。理由は協会が飛距離などのスタッツ計測・公表を始めたのが2017年と遅かったから。2017年93人の平均が「235.8646ヤード」、2018年の95人の平均が「236.0965ヤード」、そして、なぜか2019年のここまで96人の平均が「233.1281ヤード」とダウン。日米ツアー全体の平均飛距離を比べたのが下記で、差がさらに開きつつある。
日 米
2017年、235.865y(93人)252.599y(158人)
2018年、236.096y(95人)252.742y(165人)
2019年、233.128y(96人)262.066y(149人)
国内女子は寒い3月の割合が高いため、現時点での飛距離ダウンは致し方ない。だが、【世界との明確な差】を認識しなければ、今後強化すべき方向も見えないはず。葭葉ルミの254.24ヤードよりスタッツ上で飛ばす選手が現時点で米国では120人いること。そのうち27人が体格の近いアジア人(韓国、タイ、台湾、日本)が含まれる点も見逃せない。
Text/Mikiro Nagaoka