アイアンからシリーズ完成。【ぶっ飛びプロト】は『ミズノプロ』だった!なぜ飛ぶのか?【記者の目】
アイアンからシリーズ完成。【ぶっ飛びプロト】は『ミズノプロ』だった!なぜ飛ぶのか?【記者の目】
配信日時: 2018年12月14日 11時10分
14日、千葉県成田市のホテルにて、ミズノの2019年モデルの新商品発表会が行われた。手嶋多一、小林正則、武藤俊憲、小鯛竜也、原英莉花、野澤真央、川岸史果ら契約プロ7人が集結し、「初速が速く、ヒールヒットやミスに強く、プロ・アマ両方に使えるクラブ」とPRしていた。
既報のように予告されていた新商品は、『ミズノプロ』のドライバー、FW、UTだった。昨年から発売されていたアイアンに追いつく形で『ミズノプロ』シリーズが完成、2019年2月22日から全国のミズノゴルフカスタムフィッティングショップ約350店舗で発売される。
■高反発に採用される「βチタン」でミズノ史上最高反発!
まずは、なんと言ってもドライバー。契約プロのほぼ全員が「10ヤードは違う」と語ってきた『ぶっ飛びプロト』のこと。どういう仕組みで飛びを実現したのか。
⇒ミズノ『ぶっ飛びプロト』、女子プロ全員「10Y伸びる。R&Aに登録され次第すぐ使う!」
「『Mizuno Pro MODEL-E』は、飛距離性能とヘッドのコントロール性能を追求したドライバーです。フェース部には、高反発素材『β(ベータ)チタン合金』とボールを飛ばすためのヘッド設計を採用し、ミズノ史上最高反発を実現しました。強度としなやかさを併せ持つ『βチタン(2041Ti)』は、一般的なαβチタン合金(6AI-4V)に比べて強度が約17%、たわみやすさが約8%向上します」(同社広報)
現在、ほぼすべてのメーカーの適合ドライバーに『αβチタン』が採用されていると言い、契約外にも愛される現行の『MP Type-1』『同Type-2』も『αβチタン』製。今回新作に『βチタン』を採用した理由は、とにかく反発性能を上げるため。その昔、高反発クラブが全盛だった時代に採用されていた素材を適合クラブでも採用し、SLEルール内ギリギリに収めたのだとか。
また、「ソール部のフェース側にウエーブ構造を採用した『ウエーブテクノロジーソール』の波型形状を2mm 深くすることで、フェース部のたわみ量を従来品(MPシリーズ)と比べて約5%アップさせています」とのこと。
■飛ぶだけじゃない。重心距離が短く、つかまり&操作性◎
「プロだけじゃなく、日本人のアマチュアゴルファーに最適なヘッド設計『スクエアストライクデザイン』を採用することで、安心感を与える大きなヘッド投影面積ながらも、重心距離を短く設定することでスイング時のスムーズなヘッドターンを可能にします」(同社広報)
ミズノは、日本人にとっての“やさしさ”を追求し、「投影面積は維持した上で、ヘッドを返しやすくすること」に回答を見出した。例えるなら、海外メーカー製の重心距離が長くてヘッド重量が重いものは、トラックのようなもの。回転させるのに大きなエネルギーが必要で、「日本人には右プッシュや無理に返してフックが出がち」と説明する。
それを防ぎ、スムーズにヘッドをターンできる日本人に最適な重心距離は「36mm前後」。投影面積の大きな『model-E』 も、小ぶりで締まったミズノ顔の『model-S』も、36mm前後の重心距離になっている。
■『ミズノプロ』はアイアンからドライバーまで「揃えるほど振りやすい」
重心距離が日本人向けに追求されたのは、ドライバーだけではない。フェアウェイウッドも、ドライバーが36mm前後に対して、34mm前後と、同じ感覚で振り切れる設計となっている。「海外ブランドのA、B、C社は、同一ブランドでもドライバーとフェアウェイウッドの重心距離の差が12mmもある」と言うのだ。
今季の国内男子ツアー終盤の動きがこの言葉を一部証明していることになるだろうか。ネックに鉛を貼ったドライバーを使った石川遼や、260ccの極小プロトを投入した宮里優作が「アイアンとドライバーを同じ感覚で打ちたい」と語っていたこととも符号する。その点について小鯛竜也と武藤俊憲はこう語っている。
「ボクがミズノのクラブが好きな理由はアイアンがいいから。それで、重心距離が長すぎるものだと、ドライバーはドライバー、アイアンはアイアンと打ち方が分かれてしまいます。その点、ミズノのものはヘッドの投影が大きいドライバーでもアイアンの流れで打てる。ここは大きいと思いますね。ボクはシンプルにスイングをひとつにしたいので」(小鯛竜也)
「重心距離が長いから悪い、短いから悪いということではなく、選手によって最適な重心距離の長さは違います。でも、日本のツアーは技巧派が多いし操作性がないと。ボクはドライバーの名手だと言われますが、ドライバーもアイアンも同じ感覚で打っています。『ミズノプロ』の良さは、アイアンからドライバーまで、全てのクラブが一本の線で振りやすさが整っていることだと思います」(武藤俊憲)
アン・ソンジュ、申ジエと、クラブ契約フリー選手に今季9勝をもたらした『ミズノプロ518』アイアン。その『ミズノプロ』アイアンに最適なウッドラインナップが揃う2019年。契約プロにも契約フリーにも多大な影響を与えそうな予感がするのは筆者だけだろうか。
Text/Mikiro Nagaoka
既報のように予告されていた新商品は、『ミズノプロ』のドライバー、FW、UTだった。昨年から発売されていたアイアンに追いつく形で『ミズノプロ』シリーズが完成、2019年2月22日から全国のミズノゴルフカスタムフィッティングショップ約350店舗で発売される。
■高反発に採用される「βチタン」でミズノ史上最高反発!
まずは、なんと言ってもドライバー。契約プロのほぼ全員が「10ヤードは違う」と語ってきた『ぶっ飛びプロト』のこと。どういう仕組みで飛びを実現したのか。
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「『Mizuno Pro MODEL-E』は、飛距離性能とヘッドのコントロール性能を追求したドライバーです。フェース部には、高反発素材『β(ベータ)チタン合金』とボールを飛ばすためのヘッド設計を採用し、ミズノ史上最高反発を実現しました。強度としなやかさを併せ持つ『βチタン(2041Ti)』は、一般的なαβチタン合金(6AI-4V)に比べて強度が約17%、たわみやすさが約8%向上します」(同社広報)
現在、ほぼすべてのメーカーの適合ドライバーに『αβチタン』が採用されていると言い、契約外にも愛される現行の『MP Type-1』『同Type-2』も『αβチタン』製。今回新作に『βチタン』を採用した理由は、とにかく反発性能を上げるため。その昔、高反発クラブが全盛だった時代に採用されていた素材を適合クラブでも採用し、SLEルール内ギリギリに収めたのだとか。
また、「ソール部のフェース側にウエーブ構造を採用した『ウエーブテクノロジーソール』の波型形状を2mm 深くすることで、フェース部のたわみ量を従来品(MPシリーズ)と比べて約5%アップさせています」とのこと。
■飛ぶだけじゃない。重心距離が短く、つかまり&操作性◎
「プロだけじゃなく、日本人のアマチュアゴルファーに最適なヘッド設計『スクエアストライクデザイン』を採用することで、安心感を与える大きなヘッド投影面積ながらも、重心距離を短く設定することでスイング時のスムーズなヘッドターンを可能にします」(同社広報)
ミズノは、日本人にとっての“やさしさ”を追求し、「投影面積は維持した上で、ヘッドを返しやすくすること」に回答を見出した。例えるなら、海外メーカー製の重心距離が長くてヘッド重量が重いものは、トラックのようなもの。回転させるのに大きなエネルギーが必要で、「日本人には右プッシュや無理に返してフックが出がち」と説明する。
それを防ぎ、スムーズにヘッドをターンできる日本人に最適な重心距離は「36mm前後」。投影面積の大きな『model-E』 も、小ぶりで締まったミズノ顔の『model-S』も、36mm前後の重心距離になっている。
■『ミズノプロ』はアイアンからドライバーまで「揃えるほど振りやすい」
重心距離が日本人向けに追求されたのは、ドライバーだけではない。フェアウェイウッドも、ドライバーが36mm前後に対して、34mm前後と、同じ感覚で振り切れる設計となっている。「海外ブランドのA、B、C社は、同一ブランドでもドライバーとフェアウェイウッドの重心距離の差が12mmもある」と言うのだ。
今季の国内男子ツアー終盤の動きがこの言葉を一部証明していることになるだろうか。ネックに鉛を貼ったドライバーを使った石川遼や、260ccの極小プロトを投入した宮里優作が「アイアンとドライバーを同じ感覚で打ちたい」と語っていたこととも符号する。その点について小鯛竜也と武藤俊憲はこう語っている。
「ボクがミズノのクラブが好きな理由はアイアンがいいから。それで、重心距離が長すぎるものだと、ドライバーはドライバー、アイアンはアイアンと打ち方が分かれてしまいます。その点、ミズノのものはヘッドの投影が大きいドライバーでもアイアンの流れで打てる。ここは大きいと思いますね。ボクはシンプルにスイングをひとつにしたいので」(小鯛竜也)
「重心距離が長いから悪い、短いから悪いということではなく、選手によって最適な重心距離の長さは違います。でも、日本のツアーは技巧派が多いし操作性がないと。ボクはドライバーの名手だと言われますが、ドライバーもアイアンも同じ感覚で打っています。『ミズノプロ』の良さは、アイアンからドライバーまで、全てのクラブが一本の線で振りやすさが整っていることだと思います」(武藤俊憲)
アン・ソンジュ、申ジエと、クラブ契約フリー選手に今季9勝をもたらした『ミズノプロ518』アイアン。その『ミズノプロ』アイアンに最適なウッドラインナップが揃う2019年。契約プロにも契約フリーにも多大な影響を与えそうな予感がするのは筆者だけだろうか。
Text/Mikiro Nagaoka