ミズノの『ST-Z ドライバー』ってどんなクラブ?
ロマン派ゴルフ作家、ゴルフエッセイスト、ヴィクトリアゴルフのショップ店員、ALBA編集部のギア担当など、専門家が話題のギアをズバッと解説!
配信日時: 2021年4月16日 08時00分
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「低弾道だけどやさしさもあるドライバー!」 by ヴィクトリアゴルフ世田谷店チーフ・佐藤一樹
ヴィクトリアゴルフ世田谷店・佐藤です。
ミズノ『ST-Z ドライバー』の印象をお伝えします。
ミズノが2021年3月12日に発売したクラブで、「βチタンとカーボンコンポジットの融合。直進性のST-Z」というコピーでした。
2020年に発売された『ST200 ドライバー』と『ST200X ドライバー』の追加機種として、『ST-X ドライバー』と『ST-Z ドライバー』の2本が発売されました。『ST-Z ドライバー』は4本の中でハードなほうに分類される1本です。
『ST-Z ドライバー』の第一のテクノロジーは、「カーボンコンポジット」です。ミズノでは、重量が軽いカーボン素材を使って余剰重量を生み出して、それをウェイトにして配分することで重心位置を適切な位置に動かし、性能を向上させることを「カーボンコンポジット構造」の利点だと定義しています。
『ST-Z ドライバー』は、クラウンをほぼカーボン素材にして、低重心化、高弾道、低スピンの強弾道を生み出すことを可能にして、ソールもトウ側とヒール側のほぼ全面をカーボン素材にすることで、余剰重量をバック部に配置して、重心深度を深く、慣性モーメントを大きくできました。それは、インパクト時のヘッドのブレを抑えて、安定性を向上させたそうです。
同時発売になった『ST-X ドライバー』と同じように、『ST-Z ドライバー』も採用した「フォージドβチタンフェース」は、一般的なチタン合金より約17%強度が高く、約8%たわみやすい特性を持っている素材を採用して、高初速を生み出すことを狙っています。
「NEWコアテックフェースデザイン」は、フェースの裏側の中央を厚くして、フェース周辺を薄くして、フェースのポテンシャルを引き上げたテクノロジーです。結果として、フェース内の高反発エリアを広げることが出来たそうです。
「WAVEテクノロジーソール」は、ソールを見るとフェース寄りにある溝です。蛇腹状の溝はインパクト時にフェース周辺をたわませることで、たわみ量をアップさせて、初速をアップさせます。また、アドレス時に、座りに影響しないような構造にもなっています。
『ST-Z ドライバー』は、ストレートに飛ばす直進性能に特化したドライバーに仕上がっているようです。『ST シリーズ』の中では、最も弾道が低くなるドライバーだと、ミズノは説明しています。
世田谷店のお客様の『ST-Z ドライバー』の反応は……
違いのわかるお客様だけに売れています。世田谷店では、『ST-Z ドライバー』はカスタム対応のみなのです。『ST-Z ドライバー』は陳列していないので、置いていないと誤解しているお客様もいるのです。試打ブースに試打用のヘッドがあり、わかっているお客様は、ガンガン試打をしています。
姉妹クラブの『ST-X ドライバー』と『ST-Z ドライバー』の2本を試打するお客様がほとんどです。ソールを見ると、後方重心のように見えますが、試打をしている様子や測定スペックを見ると、重心が浅いことがよくわかります。ボールが高く上がることがほとんどないのです。かなりのハードヒッターか、アスリート系の競技ゴルファーでなければ打てないドライバーです。
もう一つの目立つ特徴は、56.5度のライ角です。アドレス時に違和感がないのですが、結果として、左には飛ばさないという効果を生んでいるように思われます。アドレスした感じが、今までのドライバーで一番だとおっしゃるお客様もいました。ピシッとアドレスが決まるドライバーです。
ただ、『ST-Z ドライバー』は、安心感があるけれど、難しいというのが、総合評価のようです。
自分でも打ってみました。『ST-Z ドライバー』は、低弾道です。ぜんぜんボールに高さが出ませんでした。その結果で、凄いヘッドだなぁ、と感心してしまいました。現在の市場にないタイプです。
打ち応えが重いのも特徴です。インパクトで、『ST-Z ドライバー』だとわかるほどの個性があります。ミスヒットしても、大きく曲がることはなく、飛距離のロスも最小限なのです。メーカーが推しているように、直進性能が高いドライバーというのは、すぐに実感できます。
ヘッドスピード速く、ボールが吹き上がってしまうゴルファーに『ST-Z ドライバー』はオススメです。ボールが大きく曲がって困っているゴルファーにもオススメです。低弾道のドライバーは、空中を飛んでいる時間が少ないので、大曲りはしないのです。飛距離は少し犠牲になっても、『ST-Z ドライバー』は、ドライバーに起因する大叩きを防ぎ、スコアアップに貢献する可能性があります。
ミズノのドライバーは、わかるゴルファーだけがわかれば良いというような強烈な個性を持っているときがあります。『ST-Z ドライバー』は、そこまで強烈ではありませんが、万民に訴えるような汎用性が高いドライバーでもありません。『ST-Z ドライバー』は、それを使う意味がよくわかっているゴルファーに使って欲しいクラブです。
ミズノ『ST-Z ドライバー』の印象をお伝えします。
ミズノが2021年3月12日に発売したクラブで、「βチタンとカーボンコンポジットの融合。直進性のST-Z」というコピーでした。
2020年に発売された『ST200 ドライバー』と『ST200X ドライバー』の追加機種として、『ST-X ドライバー』と『ST-Z ドライバー』の2本が発売されました。『ST-Z ドライバー』は4本の中でハードなほうに分類される1本です。
『ST-Z ドライバー』の第一のテクノロジーは、「カーボンコンポジット」です。ミズノでは、重量が軽いカーボン素材を使って余剰重量を生み出して、それをウェイトにして配分することで重心位置を適切な位置に動かし、性能を向上させることを「カーボンコンポジット構造」の利点だと定義しています。
『ST-Z ドライバー』は、クラウンをほぼカーボン素材にして、低重心化、高弾道、低スピンの強弾道を生み出すことを可能にして、ソールもトウ側とヒール側のほぼ全面をカーボン素材にすることで、余剰重量をバック部に配置して、重心深度を深く、慣性モーメントを大きくできました。それは、インパクト時のヘッドのブレを抑えて、安定性を向上させたそうです。
同時発売になった『ST-X ドライバー』と同じように、『ST-Z ドライバー』も採用した「フォージドβチタンフェース」は、一般的なチタン合金より約17%強度が高く、約8%たわみやすい特性を持っている素材を採用して、高初速を生み出すことを狙っています。
「NEWコアテックフェースデザイン」は、フェースの裏側の中央を厚くして、フェース周辺を薄くして、フェースのポテンシャルを引き上げたテクノロジーです。結果として、フェース内の高反発エリアを広げることが出来たそうです。
「WAVEテクノロジーソール」は、ソールを見るとフェース寄りにある溝です。蛇腹状の溝はインパクト時にフェース周辺をたわませることで、たわみ量をアップさせて、初速をアップさせます。また、アドレス時に、座りに影響しないような構造にもなっています。
『ST-Z ドライバー』は、ストレートに飛ばす直進性能に特化したドライバーに仕上がっているようです。『ST シリーズ』の中では、最も弾道が低くなるドライバーだと、ミズノは説明しています。
世田谷店のお客様の『ST-Z ドライバー』の反応は……
違いのわかるお客様だけに売れています。世田谷店では、『ST-Z ドライバー』はカスタム対応のみなのです。『ST-Z ドライバー』は陳列していないので、置いていないと誤解しているお客様もいるのです。試打ブースに試打用のヘッドがあり、わかっているお客様は、ガンガン試打をしています。
姉妹クラブの『ST-X ドライバー』と『ST-Z ドライバー』の2本を試打するお客様がほとんどです。ソールを見ると、後方重心のように見えますが、試打をしている様子や測定スペックを見ると、重心が浅いことがよくわかります。ボールが高く上がることがほとんどないのです。かなりのハードヒッターか、アスリート系の競技ゴルファーでなければ打てないドライバーです。
もう一つの目立つ特徴は、56.5度のライ角です。アドレス時に違和感がないのですが、結果として、左には飛ばさないという効果を生んでいるように思われます。アドレスした感じが、今までのドライバーで一番だとおっしゃるお客様もいました。ピシッとアドレスが決まるドライバーです。
ただ、『ST-Z ドライバー』は、安心感があるけれど、難しいというのが、総合評価のようです。
自分でも打ってみました。『ST-Z ドライバー』は、低弾道です。ぜんぜんボールに高さが出ませんでした。その結果で、凄いヘッドだなぁ、と感心してしまいました。現在の市場にないタイプです。
打ち応えが重いのも特徴です。インパクトで、『ST-Z ドライバー』だとわかるほどの個性があります。ミスヒットしても、大きく曲がることはなく、飛距離のロスも最小限なのです。メーカーが推しているように、直進性能が高いドライバーというのは、すぐに実感できます。
ヘッドスピード速く、ボールが吹き上がってしまうゴルファーに『ST-Z ドライバー』はオススメです。ボールが大きく曲がって困っているゴルファーにもオススメです。低弾道のドライバーは、空中を飛んでいる時間が少ないので、大曲りはしないのです。飛距離は少し犠牲になっても、『ST-Z ドライバー』は、ドライバーに起因する大叩きを防ぎ、スコアアップに貢献する可能性があります。
ミズノのドライバーは、わかるゴルファーだけがわかれば良いというような強烈な個性を持っているときがあります。『ST-Z ドライバー』は、そこまで強烈ではありませんが、万民に訴えるような汎用性が高いドライバーでもありません。『ST-Z ドライバー』は、それを使う意味がよくわかっているゴルファーに使って欲しいクラブです。
コメンテータープロフィール
佐藤一樹
目の肥えたお客様が多いヴィクトリアゴルフ世田谷店でチーフを務める。
目の肥えたお客様が多いヴィクトリアゴルフ世田谷店でチーフを務める。