キャロウェイ マーベリックドライバー 〜AIを活用すればもっと飛距離は伸びる?〜
マーベリックは、Epic Flashの後継ではなくローグの後継モデルといってよい。
配信日時: 2020年1月19日 12時15分
Epic Flashの不運
Epic Flashは小売No.1で世界中のツアーで最も使用されたし、Epic Flash Sub Zeroは「Most Wanted」(MyGolfSpyが独自の行う厳格なテスト)でトップ、さらにスタンダードモデルもそれに近い評価を得た。
とはいえ不運もあった。
ツアーではEpic FlashがUSGAのCT値テストに引っかかり、これは推測に過ぎないが、同年のどのドライバーよりもゴルファーを失望させたはず。耳が痛いが失敗作だ。
Epic Flash最大のセールスポイントは、AIと機械学習を備えた初のドライバーということ。
EPIC FLASHをもう一度
実際のところ、CT値(USGAの現行のフェースのたわみ基準)とCOR値(以前の基準)の相関は絶対的ではない。
理論上、CT値が257(絶対的なCTの限界値)以下にとどめることが可能な一方で、COR値を0.83(古い基準での限界値)以上にすることができる。
キャロウェイがこれを実現したというわけではないが、これまで私が接してきたクラブ開発者はその可能性を認めており、多くがこの範囲で収まるように努力している。
正確に言うと、必ずしも10ヤード以上の飛距離がアップするというわけではない。
反論もあるが、ポイントはCT値とCOR値のすれすれを行けばUSGA規則内でボールスピードをちょっとずつあげられるということ。
小数点以下のm/sは僅かではあるが、ゼロに比べたら遥かに大きい。
つまり、早い話がキャロウェイのEpic Flashは革命的だったとも言えるが、問題がなかったというわけではないということだ。
では、改善点を話す前に、問題の方を簡単に列挙しよう。
・オフセンターヒット時のボールスピードが劣っていた。
・Flashフェースは従来のデザインよりもかなり重たかった。
・間違いなく打音が最悪だった。
・CT値オーバー(経年でフェースが摩耗する)によりキャロウェイのツアースタッフとUSGAの間に問題が起こった。
・トラックウェイトシステムは、多用である一方、性能を妥協させることになった。
では、キャロウェイはAIを主導とした第2世代となるドライバーで、どのようにこの課題を解決したのだろうか?
答えは、AIをもう少し活用しようということだ。
SS20
SS20(Super-Strength for 2020)と刻印された素材は、実際のところFS2Sのチタン合金だ。
基本的な強度重量比の話だが、見逃せないのはSS20にしたことでフェースの弾力性が向上している一方、6gの軽量化(ドライバーとしてはかなりの重量)を果たしている。
この弾力性は、マーベリックのフェースがCT値がオーバーするのを起こしにくくするという点で非常に重要だ。
「(Epic Flashでは)上手くできなかったことだ」とホックネル氏。
キャロウェイとしては、USGAの測定基準の矛盾や測定方法に関するその他の問題はあるにせよ、今季の契約プロは予備のドライバーが不要であると楽観的に見ているようだ。
上記のリストにあるオフセンターヒット時のボールスピードアップにより、コンピューターは、現実のゴルファーがスイングした時のパフォーマンスが向上するようにフラッシュフェースの形状を改良。
最速スピードも良いが、誰でもスイートスポットは外すものであり、あえて言うならば、今年のMost Wantedテストではボールスピードの一貫性に注目したいと思う。
あとで分かると思うが、オフセンターヒット時のパフォーマンスをどのようにして向上させるかということが、今季のキャロウェイと競合他社との最大の違いということになるだろう。
それでは、今回発売された3モデルの特徴を見てみよう!