【バケモノたちの使用ギア】3日目よりも“最終日に強い”松山英樹、データはメジャー獲りを暗示
PGAツアーデータ・ドリブンシリーズとして、さまざまな公式データからギアとバケモノの相関関係をひも解いていく企画。「全米プロゴルフ選手権」の3日目、松山英樹は不調に見えましたが、最終日に向けてデータを見直してみました。すると…
配信日時: 2017年8月13日 04時23分
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ショットの不調が噴出した3日目。粘り強く耐え抜いた松山
「全米プロゴルフ選手権」3日目、松山英樹は1バーディ、3ボギーの73でトータル6アンダーに後退したものの、最終日をトップと1打差の2位タイで迎えることになった。
この日の松山は、2日目とは打って変わって得意のアイアンショットに乱れが出た。ティショットでフェアウェイを捉えた絶好の位置からグリーン左に外すことが多く、ショートアイアンでグリーンを外す珍しいシーンが何度も……。アプローチも寄せきれないシーンが目につき、影響して平均パット数も2.0だった。
日本人悲願の初メジャー制覇に向け、1打差とはいえ、ショットの不調に端を発する、アプローチとパットの綻びは観るものを不安にさせる。朝4時前から中継を見続けた人間なら分かるだろうが、前半ハーフは1パットのパーが4回、全体でもパーオン率55%とショットの不調に顔をしかめる姿に不吉なものを感じる人も多いだろう。
ただし、この日の難セッティングに苦しんだのは松山だけではなく、同組のジェイソン・デイも6オーバーと乱れた。ステディなプレーで15番まで独走していたK・キスナーも、上がり3ホールの“グリーンマイル”で叩いて1打差まで落ちてきた。また、コースと相性のいいはずのR・ファウラーも“グリーンマイル”で4オーバーと沈んでいる。
松山は“グリーンマイル”を無難に切り抜けるなど、粘り強いプレーと防御力を発揮。これほどショットに精彩を欠いて、他の選手はここまで粘りきれるのか?と、松山の地力を感じさせた。終わったことを振り返っても仕方がない。ここは悲願達成に向け、最終日に目を向けよう。いつもどおりPGAツアーの公式データをひも解いてみた。
この日の松山は、2日目とは打って変わって得意のアイアンショットに乱れが出た。ティショットでフェアウェイを捉えた絶好の位置からグリーン左に外すことが多く、ショートアイアンでグリーンを外す珍しいシーンが何度も……。アプローチも寄せきれないシーンが目につき、影響して平均パット数も2.0だった。
日本人悲願の初メジャー制覇に向け、1打差とはいえ、ショットの不調に端を発する、アプローチとパットの綻びは観るものを不安にさせる。朝4時前から中継を見続けた人間なら分かるだろうが、前半ハーフは1パットのパーが4回、全体でもパーオン率55%とショットの不調に顔をしかめる姿に不吉なものを感じる人も多いだろう。
ただし、この日の難セッティングに苦しんだのは松山だけではなく、同組のジェイソン・デイも6オーバーと乱れた。ステディなプレーで15番まで独走していたK・キスナーも、上がり3ホールの“グリーンマイル”で叩いて1打差まで落ちてきた。また、コースと相性のいいはずのR・ファウラーも“グリーンマイル”で4オーバーと沈んでいる。
松山は“グリーンマイル”を無難に切り抜けるなど、粘り強いプレーと防御力を発揮。これほどショットに精彩を欠いて、他の選手はここまで粘りきれるのか?と、松山の地力を感じさせた。終わったことを振り返っても仕方がない。ここは悲願達成に向け、最終日に目を向けよう。いつもどおりPGAツアーの公式データをひも解いてみた。
元々3日目は得意と言えない松山。最終日はツアー最上位クラスの得意さ!
最終日の平均スコア「68.64」(ツアー2位)。
これが松山に期待できる公式データだ。最終日の平均スコアは、ツアー2位と優勝争いする面々の中では図抜けている。また、1位のマイケル・トンプソンのラウンド数の少なさを考えると、実質ツアーで最も最終日に強いと言っていいのではないだろうか。今回優勝争いに絡めなかったジョーダン・スピースや、ダスティン・ジョンソンを抑えてのこの数字は松山の“強さ”を印象づける一因だろう。
ちなみに、松山の3日目の平均スコアは今週始めの段階で33位タイ。その前週までは43位タイで、「69.79」としており、今日の失速も「よくあること」だと考えればいいのではないだろうか。
そして、現在1打差の首位に立つケビン・キスナーにも目を向けなければならない。「“グリーンマイル”までは堅調だった彼にも弱点がある」というのはPGAツアーウォッチャーで、『究極のレッスン』とのレッスンコラムを連載中のToshi HIRATA氏だ。
「33歳のキスナー選手は今年ツアー2勝目をしていますが、飛ばし屋というわけでもなく、平均的なツアープレーヤー。パットもショットも無難で、そつない粘り強いプレーが特徴ですが、最終日にいつも崩れている印象です。私はこれまでのプレーからメンタル面の弱さを感じてしまいますね。その点、松山選手のメンタル面の強さは言うまでもないでしょう」(Toshi HIRATA氏)
言葉どおり、キスナーの最終日の平均スコアはこの試合前までツアー137位。その前週は160位で「71.12」と、松山より2.5打以上統計データが悪くなっている。(ちなみに、3日目の平均スコアは「69.94」でツアー48位タイ)もちろん、この統計データどおりに明日ことが運ぶとは言い切れないものではあるが……。