プレーオフ初戦を勝ちきったデシャンボーの「マッド」なヒーロー物語
年間チャンピオンのタイトルと1,000万ドルのボーナスを奪い合うサバイバル戦「フェデックスカップ・プレーオフ」が今年も始まった。初戦の「ノーザン・トラスト」を制したのは“お騒がせ男”としても知られる24歳のスター候補ブライソン・デシャンボー。彼の強さの源泉とは?
配信日時: 2018年8月30日 09時35分
デシャンボーがプレーオフ第1戦に勝利、フェデックスランキング1位に
米国男子ツアーのプレーオフシリーズ第1戦、「ノーザン・トラスト」はブライソン・デシャンボー(米国)の勝利で幕を閉じた。3日目に63というビッグスコアを出して、2位に4打差の16アンダーで最終日を迎えたデシャンボーは、4打差をキープしたまま18アンダーで優勝した。13ヶ月前の初優勝から早くも米ツアー通算3勝目。6月の「メモリアル・トーナメント」に続いての今シーズンの2勝目となった。この勝利でデシャンボーのフェデックスカップランキングは1位になった。
デシャンボーは、今風に言えば「炎上プロゴルファー」だ。発言や行動が物議を醸し、メディアとゴルフファン巻き込んだ論争に発展することがたびたび起きる。今シーズンだけでも、自らが開発に加わったパターが違反との指摘を受けた一件を始めとして、サイドサドルに似たパッティングフォームが違反と裁定された一件、プレー中にコンパスを使用してピン位置を確認することも違反だと裁定された一件と、本当に懲りない男という印象がある。
デシャンボーは、今風に言えば「炎上プロゴルファー」だ。発言や行動が物議を醸し、メディアとゴルフファン巻き込んだ論争に発展することがたびたび起きる。今シーズンだけでも、自らが開発に加わったパターが違反との指摘を受けた一件を始めとして、サイドサドルに似たパッティングフォームが違反と裁定された一件、プレー中にコンパスを使用してピン位置を確認することも違反だと裁定された一件と、本当に懲りない男という印象がある。
独自のこだわりがビッグスコアに結びついた
しかし、騒動のたびに、デシャンボーは違反ではない方法を見つけ出して、米ツアーでそれが有効であることを自らの成績で証明しているのも事実なのである。単なるお騒がせプロゴルファーではなく、他のプロゴルファーより貪欲に研究し、挑戦し続けているところが魅力なのだと彼のファンは語る。一部でささやかれる「マッド・サイエンティスト(狂気の科学者)」というあだ名も、デシャンボーにとっては勲章なのかもしれない。全ては想定内だという強気こそが、デシャンボーのゴルフを支えているように見てくるのだ。
デシャンボーは自らをゴルフの科学者だと公言している。趣味でやっているというボールテストは、それが洒落ではなく真面目な話なのだという証拠の一つだ。濃い食塩水の中に入れるとゴルフボールは水面に浮く。製造過程で、ボールは重力の影響などもあって重心に片寄りが出てしまう。浮いたボールは重い方が必ず下を向く。多くの人は、その浮いたボールが静止したことで重心の位置がわかったと印をつけたりするが、デシャンボーは違う。ボールを一つ一つ回転させて静止するまでの時間を測るのである。
おもちゃの独楽(コマ)をイメージすればわかるが、重心が円の中心から外れていると軸がグラグラして長く回転を維持できない。重心が中央にあるボールほど、食塩水の中でより長く回転し続けるのだ。デシャンボーは、そこに注目してボール選びをしているという。
2016年のプロデビューと同時に、デシャンボーはブリヂストンとボールの用品契約を締結したが、その決め手は食塩水のボールテストを経て、その品質管理が世界一だという確信があったからだと公言している。同じくブリヂストンゴルフのボール『TOUR B XS』の高いパフォーマンスと信頼性に惚れ込んで契約したタイガー・ウッズが「最も大切なギアはボールなんだ」と述べているように、独自の手法で選び抜いたボールに対するデシャンボーの信頼は厚い。
「ノーザン・トラスト」の勝利後に、デシャンボーは以下のコメントを発している。
「今回の優勝に際し、僕はブリヂストンゴルフに感謝しなければならない。優勝を助けてくれたのは『TOUR B X』だ。僕が自分のやり方でプレーすることができれば、素晴らしい結果を残すことができるんだ」
デシャンボーは自らをゴルフの科学者だと公言している。趣味でやっているというボールテストは、それが洒落ではなく真面目な話なのだという証拠の一つだ。濃い食塩水の中に入れるとゴルフボールは水面に浮く。製造過程で、ボールは重力の影響などもあって重心に片寄りが出てしまう。浮いたボールは重い方が必ず下を向く。多くの人は、その浮いたボールが静止したことで重心の位置がわかったと印をつけたりするが、デシャンボーは違う。ボールを一つ一つ回転させて静止するまでの時間を測るのである。
おもちゃの独楽(コマ)をイメージすればわかるが、重心が円の中心から外れていると軸がグラグラして長く回転を維持できない。重心が中央にあるボールほど、食塩水の中でより長く回転し続けるのだ。デシャンボーは、そこに注目してボール選びをしているという。
2016年のプロデビューと同時に、デシャンボーはブリヂストンとボールの用品契約を締結したが、その決め手は食塩水のボールテストを経て、その品質管理が世界一だという確信があったからだと公言している。同じくブリヂストンゴルフのボール『TOUR B XS』の高いパフォーマンスと信頼性に惚れ込んで契約したタイガー・ウッズが「最も大切なギアはボールなんだ」と述べているように、独自の手法で選び抜いたボールに対するデシャンボーの信頼は厚い。
「ノーザン・トラスト」の勝利後に、デシャンボーは以下のコメントを発している。
「今回の優勝に際し、僕はブリヂストンゴルフに感謝しなければならない。優勝を助けてくれたのは『TOUR B X』だ。僕が自分のやり方でプレーすることができれば、素晴らしい結果を残すことができるんだ」
3日目に出した63の原動力になった18ホールで9バーディは、デシャンボーのキャリアベストということだが、他の選手が苦しめられていたグリーン上で、『TOUR B X』の特性である美しい打音を響かせてパットを次々にホールに沈める彼を見て、ショートゲームではボールを信頼しきっていなければ成果を残せないのだと改めて教えられた気がした。
ちなみに、「ノーザン・トラスト」の前週に開催されたレギュラーツアー最終戦「ウィンダム選手権」に優勝したブラント・スネデカーもブリヂストンゴルフのボール(『TOUR B X』)を使用しており、「TOUR B」ボールは2週連続優勝を達成した。前述のタイガーのほかマット・クーチャーなど多くの有力選手がブリヂストンゴルフの「TOUR B」ボールでプレーオフシリーズに参戦しており、勢いに乗るブリヂストン勢がどんな活躍を見せてくれるか、期待が高まっている。
ちなみに、「ノーザン・トラスト」の前週に開催されたレギュラーツアー最終戦「ウィンダム選手権」に優勝したブラント・スネデカーもブリヂストンゴルフのボール(『TOUR B X』)を使用しており、「TOUR B」ボールは2週連続優勝を達成した。前述のタイガーのほかマット・クーチャーなど多くの有力選手がブリヂストンゴルフの「TOUR B」ボールでプレーオフシリーズに参戦しており、勢いに乗るブリヂストン勢がどんな活躍を見せてくれるか、期待が高まっている。