ヤマハゴルフ 新規契約プロたちが決断に至った理由とは?
text by Kazuhiro Koyama
配信日時: 2017年4月14日 05時40分
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ヤマハゴルフ 新規契約プロたちが決断に至った理由とは?
近年にない大型移籍を仕掛けたヤマハ
2006年の賞金女王、大山志保、ツアー13勝を誇る有村智恵、そして昨年優勝なしで賞金ランキング10位に入るなど、若手のホープと目されている今平周吾と、実績のある選手が一同にクラブ契約を交わす、大型移籍の発表だったためだ。
驚きは、単にプロたちの実績やその契約人数のためだけではない。
かつてのように、有力なプロが使用すると、アマチュアゴルファーがこぞって同じクラブを購入した時代は終わり、メーカーの販売促進という面でのプロ契約は、昨今、費用対効果が薄れてきている。プロとの契約自体にどことなく消極的なムードさえ漂いはじめている今、これだけの大型契約を成立させることが意外に思われたためだ。折しも、クラブ契約がフリーの選手の活躍や、契約外のクラブを使用する選手の存在が話題になっている現状もあった。
記者会見で印象的だったのは、選手が新契約に至るまで、決して短くない期間を過ごし、メーカー担当とやり取りを重ねた事実だった。クラブを変えるという決断に至るまで、どの選手も少なくない時間を費やし、ときに逡巡し、最終的に決めるに至った幾多の経緯が想像された。
その一人、大山志保は、中でも特に交渉に時間を要した選手だ。
2015年の5月にヤマハから初接触があり、その年は、契約には至らなかったが、それ以降もアプローチは続けられ、昨年の12月、いよいよ年の瀬という差し迫った頃に、ようやく合意に至ったという。