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【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】層の厚さ実現のためにも興行としてのツアーの成功が必須
【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】層の厚さ実現のためにも興行としてのツアーの成功が必須
所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net
配信日時: 2018年6月6日 06時00分
男子では少し話が違うが、子供のころからゴルフだけの生活を送って来たジュニア出身の女子プロの多くは、一定の結果を出したら結婚してツアーから離れたいと思っている。また、それ以前に、成長期からゴルフばかりをしてきた上に、ツアーで酷使した肉体が悲鳴を上げ、故障を理由にフェードアウトしてしまう選手も少なくない。
プロゴルファーにとって、試合数が多いのはありがたいことだ。個人競技である以上、試合数やトレーニングなど、肉体を自分でコントロールしなければならないのも当たり前。ツアーとしては、できる限りトッププレーヤーを多くの試合に出したいだろうし、選手の側にも、その義務がある。しかし、それで選手を壊してしまうのでは本末転倒だ。
出場義務試合数が厳しいのは、ファンに対してではなく、スポンサーに対する気遣いの部分が大きい。以前にも書いたが、プロスポーツは常に“ファンファースト”であるべきだ。ゴルフを本当に好きなファンが楽しめるのは、若手とベテランが常に戦うような層の厚いツアーではないだろうか。大山や市原、50歳で日本プロに勝った谷口徹や、現在公傷で休んでいる表純子のように、息の長い選手を増やすためには、ツアーそのものの仕組みを根本的に変える必要がある。スポンサーのためではなくファンのための出場義務試合数を設定する。そのためには、やはり興行を最優先にしたツアーの構築を目指さなくてはならない。
選手がいてこそのプロスポーツ。その選手がより輝くことによって、ファンはその魅力に引かれる。ところが、スポンサー頼みで試合を開催するから「トイレの設置やローピング、ギャラリーバスなどに金がかかるから、ギャラリーなど少なくていい」などという愚かな発言が、関係者から出てきてしまう。30年以上前から続くこのスタンスを変えない限り、本当のプロスポーツとしてゴルフが根付いたとはいえない。肉体的、精神的な負担が選手のモチベーションを下げ、選手生命を縮めるようなことがあってはならない。現実から目をそらすことなく、将来を見据えて考える時期はとうにきている。(文・小川淳子)
プロゴルファーにとって、試合数が多いのはありがたいことだ。個人競技である以上、試合数やトレーニングなど、肉体を自分でコントロールしなければならないのも当たり前。ツアーとしては、できる限りトッププレーヤーを多くの試合に出したいだろうし、選手の側にも、その義務がある。しかし、それで選手を壊してしまうのでは本末転倒だ。
出場義務試合数が厳しいのは、ファンに対してではなく、スポンサーに対する気遣いの部分が大きい。以前にも書いたが、プロスポーツは常に“ファンファースト”であるべきだ。ゴルフを本当に好きなファンが楽しめるのは、若手とベテランが常に戦うような層の厚いツアーではないだろうか。大山や市原、50歳で日本プロに勝った谷口徹や、現在公傷で休んでいる表純子のように、息の長い選手を増やすためには、ツアーそのものの仕組みを根本的に変える必要がある。スポンサーのためではなくファンのための出場義務試合数を設定する。そのためには、やはり興行を最優先にしたツアーの構築を目指さなくてはならない。
選手がいてこそのプロスポーツ。その選手がより輝くことによって、ファンはその魅力に引かれる。ところが、スポンサー頼みで試合を開催するから「トイレの設置やローピング、ギャラリーバスなどに金がかかるから、ギャラリーなど少なくていい」などという愚かな発言が、関係者から出てきてしまう。30年以上前から続くこのスタンスを変えない限り、本当のプロスポーツとしてゴルフが根付いたとはいえない。肉体的、精神的な負担が選手のモチベーションを下げ、選手生命を縮めるようなことがあってはならない。現実から目をそらすことなく、将来を見据えて考える時期はとうにきている。(文・小川淳子)