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石川遼に何が起こっているのか、プロコーチ井上透はこう見る
石川遼に何が起こっているのか、プロコーチ井上透はこう見る
配信日時: 2017年11月7日 06時36分
「自分の持っている技術の中で調整するのと、今までにない引き出しをつくるのはまったく質が違うこと。今回の一時的な不調というものは、今までの自分にない新しいものを作り出そうとしているプロセスなのだと思います。やはり目先の目標ではなく、将来自分がこうなりたいという理想像を追いかけているのでしょう」。このまま改造が長引くのならば、予選落ちのリスクが付きまとうのは当然のことのようだ。
井上は石川が理想のスイングを追い求める姿勢を評価しながらも、もしコーチとして助言するのならば“完璧”を考えないほうがいいと話した。「こういう時期というのは、選手は完璧主義に陥りやすいものです。ですが、私はゴルフにはそもそも完璧というものは存在しないと考えています。調子が悪くても良いスコアで回るという”結果”を求めることは、とても重要なこと。調子が悪いけど勝てるのが、ある意味完璧な選手。石川プロは米国での戦いのなかで、より完璧を求める姿勢を、強く持ち続けていたのだと思います。より高みを目指すストイックさはもちろん素晴らしいことで、完璧を追求する姿勢は大事ですが、同時に完璧ではない自分も認めてあげる姿勢も大事なのだと私は思います」。高い理想を持つことは大事だが、石川の場合はもう少し自分の今の状態や調子を受け入れ、これまでの、そして現在の自分自身を大切にすることも有効ではないかという。
また、「重要なのは上手くいかなかったら別の方法を模索し自分に合う方法を発見すること。スイング改造はある意味“パンドラの箱”。それを開けたのであれば、何より慎重になる気持ちが大事だと思います。良かれと思って選びとった方法でも、やっていくうちに自分に合わないことももちろんあるでしょう。その時に振り返って、“この追求の仕方は上手くいかなかった”と素直に思えるかどうか。誰でもそうですが、選手は重ねた努力が無駄になる事を好みはしません。石川プロも自分の中で期限は決められているのではないかと思いますが、その時はいい意味で進むべき方向性を変えることも大事だと思います」。
石川は「年内には結果を出したい」とHEIWAの時に話していた。現時点での年内最終戦は11月23日から開催される「カシオワールドオープン」。理想を追い求める姿勢も大事だが、別の道を模索するのも視野に入れておいたほうがいいのかもしれない。
解説:井上透、1973年4月3日生まれ。横浜市出身。アメリカでゴルフ理論を学び、1997年より日本ツアーにおいて初のプロコーチとして男子ツアーに帯同、佐藤信人、中嶋常幸、加瀬秀樹など多くのプロのコーチを歴任。現在も成田美寿々、穴井詩、川岸史果、竹内美雪など多くのプロのコーチングを行っている。
井上は石川が理想のスイングを追い求める姿勢を評価しながらも、もしコーチとして助言するのならば“完璧”を考えないほうがいいと話した。「こういう時期というのは、選手は完璧主義に陥りやすいものです。ですが、私はゴルフにはそもそも完璧というものは存在しないと考えています。調子が悪くても良いスコアで回るという”結果”を求めることは、とても重要なこと。調子が悪いけど勝てるのが、ある意味完璧な選手。石川プロは米国での戦いのなかで、より完璧を求める姿勢を、強く持ち続けていたのだと思います。より高みを目指すストイックさはもちろん素晴らしいことで、完璧を追求する姿勢は大事ですが、同時に完璧ではない自分も認めてあげる姿勢も大事なのだと私は思います」。高い理想を持つことは大事だが、石川の場合はもう少し自分の今の状態や調子を受け入れ、これまでの、そして現在の自分自身を大切にすることも有効ではないかという。
また、「重要なのは上手くいかなかったら別の方法を模索し自分に合う方法を発見すること。スイング改造はある意味“パンドラの箱”。それを開けたのであれば、何より慎重になる気持ちが大事だと思います。良かれと思って選びとった方法でも、やっていくうちに自分に合わないことももちろんあるでしょう。その時に振り返って、“この追求の仕方は上手くいかなかった”と素直に思えるかどうか。誰でもそうですが、選手は重ねた努力が無駄になる事を好みはしません。石川プロも自分の中で期限は決められているのではないかと思いますが、その時はいい意味で進むべき方向性を変えることも大事だと思います」。
石川は「年内には結果を出したい」とHEIWAの時に話していた。現時点での年内最終戦は11月23日から開催される「カシオワールドオープン」。理想を追い求める姿勢も大事だが、別の道を模索するのも視野に入れておいたほうがいいのかもしれない。
解説:井上透、1973年4月3日生まれ。横浜市出身。アメリカでゴルフ理論を学び、1997年より日本ツアーにおいて初のプロコーチとして男子ツアーに帯同、佐藤信人、中嶋常幸、加瀬秀樹など多くのプロのコーチを歴任。現在も成田美寿々、穴井詩、川岸史果、竹内美雪など多くのプロのコーチングを行っている。