ギア選びはボールから、がツアーの新常識
text by Kazuhiro Koyama
配信日時: 2017年5月19日 05時50分
タイガー、そしてアン・シネもBSボールの愛用者
同じように、ボールからギアを選んだのが、誰あろうタイガー・ウッズだ。タイガーもまた、まず最初に自身の好みに合うボールを探し、結果選ばれたのが、ブリヂストンの『TOUR B330S』だった。宮里の使う『TOUR B330X』より軟らかく、スピンのかかるツアーボールだ。ヘッドスピードだけで考えれば、『TOUR B330X』のほうが合いそうなところだが、距離感やスピン性能、そして打感などがよりフィーリングが合うのが『B330S』ということだろう。
よく知られているように、アメリカではタイトリストのボールシェアが圧倒的に高い。ところが近年、販売シェア3位にまで上げたのが日本企業であるブリヂストンだということは、意外と知っているゴルファーが少ないのではないだろうか。
ツアーでの使用率ももちろんタイトリストが高く、クラブ契約プロを中心にテーラーメイドやキャロウェイの使用ボールを使う選手も多い。しかし、ツアーの領域においても、ブリヂストンのボールは幅広く愛用されている。タイガーはもちろんだが、実力派のマット・クーチャー、シニアツアーを戦うフレッド・カプルス、女子の飛ばし屋として知られるレキシー・トンプソンは、いずれも『B330S』の使用者だ。
元世界ランキング1位のステイシー・ルイスと先日、来日し大フィーバーを起こしたアン・シネは、海外で販売している『B330RXS』を使用している。これは『B330S』よりもさらに軟らかいボールだ。『B330』シリーズは、今季すでに8勝を上げているという。日本企業が培ったテクノロジーが、世界の様々なツアープロに愛用されているのは、なかなか誇らしいことだ。
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