松山英樹「ピンを狙えるようにしたい」。使い慣れたアイアンを替える必要はある?ない?
松山英樹が先週アイアンやドライバーなど一気に交換。ドライバーショットは及第点のようですが、元々正確なアイアンショットに課題が…。PGAツアープロのアイアン交換について考えます。
配信日時: 2018年5月12日 09時57分
バッバ、ステンソンは2013年から同じアイアン
筒 「ケガの影響もありますが、松山プロはアイアンショットがまだまだこれからのようですね」
P編 「でも、アイアンを替えるってやっぱりリスクあるね。ポンポン替えているプロゴルファーなんて見たことないもん。アマチュアの私はよく替えるけど。トッププロの平均ってどれくらいだろうね?」
筆者 「2年を越えるとかなり長い方だと思いますよ。モデル自体が2年周期で変わるものが多いので。アベレージ向けのブランドでは2年に一度ですが、アスリートブランドって、毎年のように新しいものを出すメーカーもありますからね」
P編 「長い人でどれくらいなの?トップ選手だと」
筆者 「いま、世界ランクトップどころで言えば、バッバ・ワトソンは2013年からPING『S55』(2013年モデル)ですね。同じく、ヘンリク・ステンソンも2013年からキャロウェイ『レガシーブラック』(2011年モデル)を使い続けています。ダスティン・ジョンソンも前のテーラーメイド『ツアープリファードMB』は4年近く使用してました」
P編 「ステンソンは道具を替えないからだよね? 2012年くらいからずっとキャロウェイ『ディアブロオクテインツアー』の3Wだっけ」
筆者 「はい…。『ディアブロオクテインツアー』は本当に低スピンでよく飛びますからね。バケモノひしめくディスタンスゲーム化するPGAツアーで、2010年発売の3Wで対抗できるのは凄いですよ。40歳を越えてなお、ステンソンはほぼ3Wのみなのに平均290ヤード飛ばしつつ、FWキープ率は76%越えで1位ですから…。ある意味、彼が一番の変態というか、バケモノな気がしますけど…」
P編 「でも、アイアンを替えるってやっぱりリスクあるね。ポンポン替えているプロゴルファーなんて見たことないもん。アマチュアの私はよく替えるけど。トッププロの平均ってどれくらいだろうね?」
筆者 「2年を越えるとかなり長い方だと思いますよ。モデル自体が2年周期で変わるものが多いので。アベレージ向けのブランドでは2年に一度ですが、アスリートブランドって、毎年のように新しいものを出すメーカーもありますからね」
P編 「長い人でどれくらいなの?トップ選手だと」
筆者 「いま、世界ランクトップどころで言えば、バッバ・ワトソンは2013年からPING『S55』(2013年モデル)ですね。同じく、ヘンリク・ステンソンも2013年からキャロウェイ『レガシーブラック』(2011年モデル)を使い続けています。ダスティン・ジョンソンも前のテーラーメイド『ツアープリファードMB』は4年近く使用してました」
P編 「ステンソンは道具を替えないからだよね? 2012年くらいからずっとキャロウェイ『ディアブロオクテインツアー』の3Wだっけ」
筆者 「はい…。『ディアブロオクテインツアー』は本当に低スピンでよく飛びますからね。バケモノひしめくディスタンスゲーム化するPGAツアーで、2010年発売の3Wで対抗できるのは凄いですよ。40歳を越えてなお、ステンソンはほぼ3Wのみなのに平均290ヤード飛ばしつつ、FWキープ率は76%越えで1位ですから…。ある意味、彼が一番の変態というか、バケモノな気がしますけど…」
筒「タイガーが一番好みが不変では?」
筒 「アイアンで考えてみると、タイガー・ウッズ選手が一番道具の好みの変わらない選手なんじゃないですか?モデルとしてもメーカーとしても変わっていますけど、ずっと自分の好みどおりの同じ形に削ってもらっているでしょう?しかも、20年前からずっとPWのロフトが50度なのを変えていないんですよね、こんなアイアンセットは市販品のマッスルバックでもないですし、ロフト調整するとオフセットが変わってしまうので、最初から彼専用のものを設計する必要がありますよね…」
筆者 「まぁ、そうですね。キャリアが始まってからほぼ同じ形状じゃないですか?下手すると20年くらいかも…。原型はアマチュア時代のミズノ『MP-14』と『MP-29』だと思いますよ」
P編 「でも、メーカーが変わると同じ形状でも打感は微妙に変わるはずだよ?どのメーカーもマッスルバックを持ってるし、サイズ的にも大差ないけど、アマチュアの私でも分かるくらい、各社で音や打感が違う。今回のタイガーの変更もそこが気に入るものを作るのに時間がかかったようだね」
筆者 「まぁ、そうですね。キャリアが始まってからほぼ同じ形状じゃないですか?下手すると20年くらいかも…。原型はアマチュア時代のミズノ『MP-14』と『MP-29』だと思いますよ」
P編 「でも、メーカーが変わると同じ形状でも打感は微妙に変わるはずだよ?どのメーカーもマッスルバックを持ってるし、サイズ的にも大差ないけど、アマチュアの私でも分かるくらい、各社で音や打感が違う。今回のタイガーの変更もそこが気に入るものを作るのに時間がかかったようだね」
筒 「違うと思いますよ、何しろ、我々よりも数百倍くらいセンサーが多いというか、優秀だと思うんですよ。彼ら道具にうるさいトッププロというのは。バッバやステンソンもそうだと思いますけど、感覚派のクセのあるプロほど、理詰めではなく感覚で勝負しているので、その感覚を言語化するのも難しいし、常人に伝えるのは至難の業だと思います。特に現代だと3Dでスキャニングして、完璧に同じ形状のものを創り出すことはさほど難しくないはずです。
でも、常人の理解の範疇を越えたセンサーの多い選手は、“なんか違う”となってしまってもおかしくないはずです。最終的に道具を替えられない理由というのは、その使い込んだ道具が【自分の手】になっているからだと思うんです。そこを容易く替えられないのが普通だし、本来は替えてはいけないと思いますけどね。職人技って、いろいろありますけど、替えが効かないから職人の手なので。
メーカーにとってはたまったもんじゃないでしょうが、タイガーはよく分かっていますよね、そのことが。それに、替えなくても許される存在でもあるというのも大きいです。松山選手の契約がどうか分かりませんし、本人の感覚も分かりませんが、たとえ同じモデルであったとしても、アイアンを替えることに関しては慎重になってもいいと思います。彼が感覚派なことに疑いはないので」
でも、常人の理解の範疇を越えたセンサーの多い選手は、“なんか違う”となってしまってもおかしくないはずです。最終的に道具を替えられない理由というのは、その使い込んだ道具が【自分の手】になっているからだと思うんです。そこを容易く替えられないのが普通だし、本来は替えてはいけないと思いますけどね。職人技って、いろいろありますけど、替えが効かないから職人の手なので。
メーカーにとってはたまったもんじゃないでしょうが、タイガーはよく分かっていますよね、そのことが。それに、替えなくても許される存在でもあるというのも大きいです。松山選手の契約がどうか分かりませんし、本人の感覚も分かりませんが、たとえ同じモデルであったとしても、アイアンを替えることに関しては慎重になってもいいと思います。彼が感覚派なことに疑いはないので」
筆者 「う〜ん、そういう意味じゃ、今季からキャロウェイに移籍したセルヒオ・ガルシアや、ザンダー・シャウフェレはよくやっている方だと言えるんでしょうね。何しろ、アイアンだけじゃなくて、ウッドから全て変わっているわけでしょう?」
筒 「シャウフェレ選手は、アイアンはテーラーメイド『P750』からなかなか替えきれないようですよ?」
P編 「やっぱり、一番本数の多いアイアンを替えるのは難しいんだね。私はこの3年で6セット変わっていて、つい最近も新しいヘッドを買ったばかりだけど、やっぱり【自分の手】にどれもなってないってことなのかな…。それとも、プレーヤーとしてのセンサーが少ないのかな…(泣)1セットあたり、半年も持ってない計算だよ…」
筒&筆者 「その両方でしょ!しかも、飽きっぽいし」
P編 「ぐぬぬ…。(2人とも、覚えとけよ)」
Text/Mikiro Nagaoka
筒 「シャウフェレ選手は、アイアンはテーラーメイド『P750』からなかなか替えきれないようですよ?」
P編 「やっぱり、一番本数の多いアイアンを替えるのは難しいんだね。私はこの3年で6セット変わっていて、つい最近も新しいヘッドを買ったばかりだけど、やっぱり【自分の手】にどれもなってないってことなのかな…。それとも、プレーヤーとしてのセンサーが少ないのかな…(泣)1セットあたり、半年も持ってない計算だよ…」
筒&筆者 「その両方でしょ!しかも、飽きっぽいし」
P編 「ぐぬぬ…。(2人とも、覚えとけよ)」
Text/Mikiro Nagaoka