ギアの進化を巧みに取り入れ、バーディを量産した宮本勝昌
text by kazuhiro koyama
配信日時: 2017年8月2日 08時10分
ギアの進化をパフォーマンスに結びつけるベテランたち
『X』はより風に強く、反発性能を高めたモデルということで、飛び性能を重視するプロがこれから使用を開始するだろう。男子プロだけでなく、渡邉彩香、堀琴音、有村智恵など女子プロにも使用者が多いのが特徴だ。一方、タイガーやクーチャー、レキシー・トンプソンなど海外選手は、これから『XS』にスイッチする選手が多いはずだ。非常に評価の高かった『B330S』の球持ちの良い軟らかな打感を維持しながら、新しいディンプルを採用し、弾道の均一性がさらに向上しているという。近日中に、詳細がメーカーから発表されるだろう。
【ツアーで見つけた旬ギアネタ】アン・シネもゾッコンの飛ばしすぎボールとは?
彼のような40代前後の選手は、パーシモンでゴルフを覚え、現代の大型チタンヘッドまで使うという、選手生活がクラブの劇的な進化の渦中にあった世代だ。ヘッド体積が半分以下で、重量ははるかに重いパーシモンドライバーから、現代の460ccヘッドに行き着くまで、その時代の最新クラブにアジャストすることを常に求められてきた。宮本の同年代の選手には、その進化に上手く順応できず、若い頃のような活躍ができなくなった選手は少なくない。
宮本は、ときに同じクラブを長く愛用しつつ、自身に合うものならスムーズに移行できる。洋ナシ型で小ぶりなヘッドが好みかと思えば、現在は、丸顔で厚みのある『TOUR B XD-3』を使用している。自分のプレースタイルやスイングに合うものを見極め、ギアの進化を巧みにパフォーマンスの向上に結びつけている。そのギアへの選別眼は鋭い。もっとも、そうでなくては、これだけ長きに渡ってツアーで活躍することなど出来ないだろう。
活きのいい若手が台頭する中で、今季は40代前後のベテランの頑張りも目立つ。彼らは、ギアの進化の恩恵を一番感じている世代でもある。彼らを軸に、高額賞金の大会が続く秋の陣では、さらに白熱した戦いが見られるはずだ。
【WITB】新ボールでキャリーを伸ばした宮本勝昌