“スチールは設計自由度がない”は過去の言葉!モーダスにみる潮流
text by kazuhiro koyama
配信日時: 2016年9月15日 03時00分
熱処理を変化させ、最適なしなり感を実現
石川遼が使用する『N.S. PRO MODUS3 PROTOTYPE SYSTEM3+』は、市販されていないプロトタイプシャフト。市販品の『MODUS3 SYSTEM3 TOUR125』とほぼ同じ特性だが、熱処理を変化させているという。『DG』に比べると、シャフト先端と手元の剛性をわずかに硬めに設定し、打ち応えや弾道のイメージを変えることなく、スイッチしやすくなっているのが特徴だ。
石川は新しいシャフトについて「より、スピンが入りそう」とコメントしているが、スピンが増すというよりも、手元がしなり過ぎるのを抑制し、クラブの入射角がより適正になっていると推察できる。
こうして、プロの好みに合わせて、シャフトの硬さやしなり感を変更できるのが、日本シャフトの真骨頂だ。重量はもちろん、各部の剛性と肉厚を変えて、シャフトの挙動をコントロールし、プロのためのさまざまなプロトタイプを開発している。
石川は新しいシャフトについて「より、スピンが入りそう」とコメントしているが、スピンが増すというよりも、手元がしなり過ぎるのを抑制し、クラブの入射角がより適正になっていると推察できる。
こうして、プロの好みに合わせて、シャフトの硬さやしなり感を変更できるのが、日本シャフトの真骨頂だ。重量はもちろん、各部の剛性と肉厚を変えて、シャフトの挙動をコントロールし、プロのためのさまざまなプロトタイプを開発している。
現在発売されている4種類の『N.S. PRO MODUS3』は、こうしたツアーのフィードバックを経て、おびただしいプロトタイプの中から、市販品として選ばれたものだ。累計販売200万本を超え、記念の限定モデルが発売になる。
工場を訪問した際、ちょうどこの限定モデルを生産する真っ最中だった。繰り返し行われる幾種類もの熱処理。0.5g以上の誤差を許容しない入念な検査と、様々な検品作業。そして、特殊塗装による鮮やかで深みのある赤に、光沢のあるホログラムインクで仕上げられた美しい外観は、駒ヶ根工場のものづくりの確かさを物語っていた。
爽やかなアルプスの気候の中で、世界に誇るものづくりが行われていることに、改めて感銘を受けた。国内はもちろん、今後は海外でもさらに、メイドインジャパンのスチールシャフトが愛好されるだろう。
工場を訪問した際、ちょうどこの限定モデルを生産する真っ最中だった。繰り返し行われる幾種類もの熱処理。0.5g以上の誤差を許容しない入念な検査と、様々な検品作業。そして、特殊塗装による鮮やかで深みのある赤に、光沢のあるホログラムインクで仕上げられた美しい外観は、駒ヶ根工場のものづくりの確かさを物語っていた。
爽やかなアルプスの気候の中で、世界に誇るものづくりが行われていることに、改めて感銘を受けた。国内はもちろん、今後は海外でもさらに、メイドインジャパンのスチールシャフトが愛好されるだろう。
コヤマカズヒロ/ゴルフコラムニスト
雑誌・WEB媒体にレッスンなどのゴルフ記事を執筆。 99年に大手ゴルフショップチェーンの立ち上げに参画。 ゴルフギアに関しては、性能面はもちろん製造・流通まで 幅広い知識のある異色のライター。 1974年・広島生まれ